夏まき秋冬どりにんじんの栽培管理について

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埼玉県川越農林振興センター

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夏まき秋冬どりの作型は、にんじんの生育に適した基本的な作型ですが、近年は夏季の高温・干ばつや大雨の影響を受けやすくなっています。
特に昨年は、灌水かんすい設備のない畑でにんじんの発芽不良や播種はしゅの遅れがみられました。
にんじんの生理的な特徴を踏まえ、土作りや播種時期の決定、灌水管理を行い、安定生産を目指しましょう。

〇土づくり

にんじん栽培には、排水性・保水性のよい畑が適しています。
台風・豪雨による発芽不良や湿害を防ぐため、水はけの悪い畑ではプラソイラによる心土破砕や明渠めいきょの設置により、畑の排水を良くしましょう。
土壌の物理性を改善し保水性を高めるには、堆肥などの土壌有機物の施用が必要です。しかし、未熟な有機物は岐根きこんの原因になるため、完熟堆肥を作付け1か月以上前に施用しましょう。緑肥を作付けした場合には早めにすき込み、播種前には腐熟させましょう。
施肥せひは残肥を考慮の上、品種の推奨量を参考に施用しましょう。
適正土壌pHは6~6.5です。pHが低い場合には苦土石灰等を施用しましょう。

〇播種時期について

にんじんの根部肥大・着色期(播種後50~60日、本葉8枚程度)は平均気温16~21℃、地温16~18℃が適温です。平均気温16~21℃になるのは、9月下旬~10月中旬にあたります。
播種は品種ごとの適期を参考に7月下旬~8月中旬に行いましょう。極端な早まきや遅まきは、変形や肥大不良、色が淡くなる等の生育不良の原因となります。

〇発芽をそろえる

播種後7日~10日で一斉に発芽させるのがポイントです。
にんじんは、種そのものが水を吸う力が弱い特性があります。また、にんじんで多く用いられているペレット種子は、吸水してコート層に割れ目が入ることで発芽に必要な水分・酸素が供給されます。水分が少ないとコート層に割れ目ができず発芽できません。また、水分が多すぎても酸欠となりうまく発芽できません。
裸種子は5mmの厚さ、ペレット種子の場合は1cmの厚さを基準に覆土します。
播種後、発芽するまでは土が乾かないようにしましょう。
降雨が少なく土壌水分が少ない場合には、朝か夕方に灌水しましょう。1回の灌水量の目安は20mm~ 30mm(1平方メートルあたり20L)です。地表面がかたまるクラストができるのを防ぐため、灌水はスプリンクラ―ではなく灌水チューブで行い、地表面をたたかないようにしましょう。
灌水設備のない畑では天候を考慮して播種しましょう。

〇発芽後の土壌水分について

にんじんは本葉7枚目くらい(播種後50日頃)に根の長さが決まります。
発芽後、本葉6枚ごろまでは地温が低い時間帯に適宜灌水して適湿を保ち、十分に養分や水分が吸収できるようにしましょう。生育後半は灌水を抑えましょう。

〇雑草を抑える

にんじんは初期の生育が遅いため、初期の雑草防除が重要となります。除草剤は雑草発生前か発生初期に、発生雑草に効果がある剤を選択して施用しましょう。
施肥・畝たて後に地表面を透明フィルム(マルチ・ビニール等)で覆う太陽熱消毒を梅雨明け前後からの高温期に1月程度行い、播種すると地表面の土壌病害虫や雑草種子を抑えることができます。