小麦栽培（10～12月の管理）

近年、管内の一部の小麦畑では、発生した雑草（ネズミムギ他）の繁茂による栽培上の問題が生じています。
次の点に注意し、小麦栽培の再点検をしましょう。

1　小麦畑の準備

(1)　 耕耘 《 こううん 》 ・整地

畑の砕土・整地が粗いと苗立率が落ちます。丁寧に行って下さい。

(2)　土壌改良資材・基肥施肥

耕起前に土壌pHの測定を行い、石灰質資材を施用し生育に好適なpH6.0～7.5に調整し、表1を参考に施肥します。

2　播種

(1)　種子消毒

配布種子は種子消毒済でないのでベフラン液剤25で種子消毒し、使用します。

(2)　播種適期

11月10日～25日

(3)　播種量（10a当たり）

さとのそら 5～7kg
ハナマンテン 5～6kg

(4)　播種深度

深播き浅播きは収量品質に影響します。播種深度が2～3cmになるよう調整します。

3　雑草対策

―安定した効果のための除草剤処理―

(1)　畑の砕土と鎮圧

砕土が粗いと除草剤の効果が劣り、乾燥時は小麦の出芽が揃わなかったりします。粗い砕土にならないよう注意して耕耘し、畑の状態によっては播種時に鎮圧ローラーの接地圧を強めたり、播種直後に麦ふみローラーで鎮圧します。

(2)　播種後の土壌処理剤散布

雑草の出芽前までの除草剤処理だと効果が安定するので必ず処理します（表2）。

(3)　除草処理の注意点

粒剤の場合、土壌がやや湿り気のある時に散布すると良い。
乳剤やフロアブル剤の処理で土壌が乾燥している場合、薬量はそのままで希釈水量を多めにする（表2）。

(4)　雑草発生状況の観察

小麦出芽後に圃場を巡回し、雑草の発生状況を確認します。雑草が発生していたら、小麦生育期の除草剤処理を検討します（表2）。

4　麦踏み

3葉目が見えたら、年内に1回、その後茎立ち前（3月中旬）までに2週間程度間隔をあけて2回、合計3回を目標に行います。