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生産者を支えるJAいるま野営農推進員

第一営農販売センター 植木 良子(左)・
第二営農販売センター所沢資材センター 
関口 健太(右)

生産者は農業経営する上で、さまざまな問題にぶつかります。生産資材の選び方や技術の指導、市場の情報収集…。そんなとき、生産者の身近な相談相手となり、生産者とともに産地づくりを行っていくのがJAの「営農推進員」です。今月号の特集では、JAいるま野の「営農推進員」総勢36人(令和3年5月現在)のうち、2人を紹介します。

「農家の役に立ちたい」 
想いを胸に埼玉へ

第一営農販売センター 植木 良子

私は、山形県の出身です。実家は代々続く専業農家で、畜産や施設野菜、米づくりの現場を間近で見て育ちました。私が所属する第一営農販売センターは、辺り一面を水田に囲まれた稲作地帯。その広大な風景と収穫期に漂う稲わらの香りは、私が育った実家周辺の姿を思い出させてくれます。
農業を身近に感じてきた私は、「農家の役に立つ人間になりたい」と地元の大学(農学部)を卒業し、JAやまがたに入組。結婚を機に埼玉へと引っ越しましたが、その想いを捨てきれずJAいるま野に入組し現在に至ります。
JAいるま野に入組して13年。私は現在、営農推進員として主に米や麦、大豆の営農相談業務に従事しています。山形の実家では自ら米づくりに携わり、麦・大豆においては販売業務、とりわけ取引先との商談なども経験してきました。高品質な農作物を栽培するにはどうしたら良いか、またそれをどのように販売し、どうやって利益に結びつけたら良いか、幅広い視点に立った営農相談業務は、私自身の強みと言えるかも知れません。

昨年就農した新規就農者の田中洋史さん。「毎回資料を使いながら分かりやすく親切に説明してくれる。植木さんはいつも穏やかで、忙しい日でもホッとした気持ちにさせてくれる」と話します。

幅広い視点に立った
相談業務の強み

5月から6月にかけて、米づくりにおける相談や質問の件数は最も多くなります。例えば、「効果的に除草するためにはどうしたら良いか」「有効分げつ(※1)の確保につなげる具体的な方法を知りたい」などといったものです。生産者にとって田植えを終えたばかりのこの時期は、収量増につなげるための大切な時です。水田の状態や品種によっても対応が異なりますので、生産者からの相談や質問は、一つ一つ丁寧に答えるよう心掛けています。
麦については、タンパク質の含有量の高いものが市場から求められています。市場からの要望にも応えられるよう、生産者会議などを通じて情報提供することも営農推進員の大事な役割のひとつです。

生産者からの相談事は、上司にも報告。あらゆる視点から生産者にフィードバックします。

産地のために、生産者のために

JAいるま野管内は、米や麦の一大産地です。各生産者の個別対応はもちろんですが、時には産地全体を見渡して対応する必要もあります。
中でも、主に後継者を対象に開催している「休日水稲あぜ道講習会」では、県川越農林振興センターとJAが講師を務め、高温障害や病害虫対策などについて説明するとともに、出穂期しゅっすいきの判断や穂肥ほごえの散布量など実例を基に説明します。次世代を担う後継者が、高品質な米を収穫し産地の発展につなげられるよう努めています。また、麦では数年ほど前に病害虫被害の影響で減収した畑がありました。そこで、生産者に対し予防防除の指導をし、翌年には平年並みにまで回復させることができました。
私は、これまでJA職員として、また営農推進員としてさまざまな経験を積んできましたが、生産者から「高品質な農産物が出荷できた」「高値販売ができた」といった連絡をいただくと、いつも安堵感にも似た気持ちに包まれます。営農推進員として最もやりがいを感じる瞬間です。

苗の生育状況を確認。病害虫被害などにも素早く気づけるよう頻繁に田畑を巡回しています。

生産者に寄り添い、力になる!
かつて抱いた目標に向かって

生産者は毎日農産物に向き合い、懸命に農作業に励んでいます。その姿を見て「もっと生産者に寄り添い、もっと力になりたい」と、いつもパワーをいただいています。これからも生産者に頼りにされる営農推進員を目指し、「助かったよ!」の声をたくさん聞くことができるよう日々精進していきたいと思います。(現在、「土壌医検定」の資格取得にも挑戦中!!)
私の目標は、「農家の役に立つ人間になること」です。かつて抱いた目標は、今でも変わらず持ち続けています。

JA埼玉県担い手サポートセンター(※2)の担当者とは、毎月生産者の田畑を同行訪問しています。より専門的な立場から見ることによって、問題の早期発見や生産者が抱える課題の解決に向けて一緒に取り組んでいます。

(※1)分げつ=成長により主稈しゅかん(発芽した幼芽が成長した主茎)から発生した茎を分げつと呼ぶ。分げつは、葉の展開と関係して規則的に発生するが、幼穂形成期頃には発生が止まる。また、分げつは充実した穂を出穂する有効分げつと、出穂しないか未熟な穂を出穂する無効分げつに分けることができる。

(※2)JA埼玉県担い手サポートセンター=JAが単独では対応が難しい大規模担い手経営などを対象にJAと同行訪問し、個別支援をはじめ、生産や販売などの事業提案を行っている。


入組4年目。
1日1日を大切に

第二営農販売センター所沢資材センター 関口 健太

JAいるま野に入組し、この春で4年目を迎えました。以来、営農推進員として主に直売所に出荷する生産者や所沢市内の生産者を支援してきました。
入組のキッカケは、大学で食育や6次産業化について学んでいくうちに、1次産業の分野で働きたいと思うようになったからです。県南西部に位置するJAいるま野管内は、産地と消費地が混在する都市近郊産地。季節を問わず美味しい農産物が生産されており、まだまだ多くの可能性を秘めていると思います。営農推進員として至らぬことが多いですが、生産者のために、そして産地のために、1日1日を大切にしながら業務に励んでいます。

畑を訪れ、サトイモの生育状況を確認。最近では疫病対策の相談を受けることが多く、常に資料を持ちながら生産者と一緒になって対応策を考えます。

悩みに素早く対応 
“農業所得の向上”を手助けする

私は現在、主に所沢市富岡地区の生産者を対象に営農相談業務を担当しています。その業務は多岐に渡り、例えば土壌診断の結果を基にその畑に合った肥料を提案したり、病害虫に困っていれば効果的な農薬を薦めたりしています。また、生産者が新たな品目を始めようとする際には、必要な資材を提案することもあります。
こうした一連の業務の中で、私が最も大切にしていることは “生産者からの宿題・・はすぐにやる”ということです。先日、こんな出来事がありました。
「ダイコンの葉に虫が付いているようだ。調べてくれないか」
大至急、畑に駆け付けたところ、私自身も見たことがない虫が付着しており、ひとまず写真を撮りその虫を採取。すぐに県川越農林振興センターなどに調査を依頼し、生産者と対処法などを共有することで大事に至らずに済みました。その結果、無事に出荷することができ、生産者からも感謝の言葉をいただくことができました。
そこで再認識できたのが、私たち営農推進員の業務は“農業所得の向上に直結している”ということです。仮に対応が遅れた影響で出荷ができなくなった場合、生産者の収入は減ることになってしまいます。私たち営農推進員に求められていることは“農業所得の向上”のために、その手助けをすること。それが営農推進員の役割であり、使命であると改めて認識した出来事でした。

入組当初から知る川口裕紀さんを訪問。川口さん曰く、「入組当初より貫禄がついてきた。今では何でも相談できる頼れる存在だ」と太鼓判を押します。

生産者に合わせた販路の提案

生産者への支援は、栽培指導に限りません。生産者に合わせてJA農産物直売所への出荷を提案したり、共販出荷を提案します。また私は入組以来、産直部会(※呼称は地域により異なる)の事務局を務めており、量販店への出荷を提案することもあります。
例えば、量販店側から「この品目を出荷してくれないか」と連絡があれば、その品目を生産している生産者に声を掛け出荷を促します。また、生産者側から「出荷先を見つけてほしい」という依頼があれば量販店に問い合わせることもあります。
このように、生産者と販売先をいわばマッチングさせることによって、販路の確保・拡大=農業所得の向上に直接結びつけていくことも、営農推進員として重要な役割だと考えています。
出荷先に困った際には、ぜひご相談ください!

生産者からの相談内容を上司に報告。内容に応じて、県川越農林振興センターやJA全農さいたまなど各関係機関とも情報を共有します。

営農推進員としてのこれから

入組4年目を迎えましたが、営農推進員の先輩方にはまだまだ及びません。経験がモノをいうことも十分に感じています。
私が目指す営農推進員――。それは“知識が豊富な営農推進員”です。知識があれば、もっともっと生産者の力になれるはずです。農業には終わりがありません。一生かけても、完璧な知識は身に付かないかも知れません。それでも今まで以上に努力を重ね、生産者から頼りにされる営農推進員になりたいと思います。そのためにも、まずは生産者と対話を重ねて素早い対応を心掛け、日々の業務をしっかりとこなしていきたいと思います。

急な注文にも素早く対応。関口職員は、営農推進員のホープです!