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JAいるま野
2020年産の米づくりについて

19年産米の生育概況について

平年よりも10日ほど遅い梅雨明けとなりましたが、梅雨明け以降は高温が続きました。とくに、8月上~中旬にかけては平年よりも気温が高く、出穂後、開花期と重なった品種については猛暑による不稔籾が発生しました。その後、8月中~9月上旬にかけては日照不足が続き、登熟が低下しました。この結果、埼玉県の作況指数は『98』の『やや不良』となりました。

19年産米の予想収穫量及び作況指数

19年産稲作期間の気象図

2)日照時間の推移

気象変動に負けない“米づくり”6つのポイント

≪田植え前に行うこと≫・・・基礎体力づくり
(1)土づくり→ワラを早期に分解する秋起こし、堆肥の投入による地力回復を行う。
(2)ケイ酸資材→ケイ酸加里等の土壌改良剤を施用して、稲の活力を高める準備を行う。
(3)耕うん→根の広がりによる吸収力を高めるため、深め(目標15cm)の耕うんを行う。

≪田植え後に行うこと≫・・・体力維持
(4)水管理→移植後の浅水管理、幼穂形成期の間断潅水、出穂前後の深水管理、落水時期に注意する等の小まめな水管理を行う。
(5)穂肥等→適正な穂肥(栄養補給)、ケイ酸質資材(稲の活力向上)を施用する。
(6)適期刈取→登熟積算温度、帯緑色籾の割合等の刈取り適期判断情報を確認する。

20年産米の米政策について

1)生産量の目安

19年産の全国の主食用米の作況指数は『99』(平年作)で、生産量は726万tでした。20年産の国から示された目安は718~726万tで、仮に作況指数が『100』だったとすると、生産量は733万tとなり7万tの過剰作付けとなっていました。 20年産の適正生産量は708~718万tにする必要があり、このままの作付け面積や豊作傾向となった場合には、20年産の需要と供給のバランスが崩れ、米価に影響する恐れがあります。

参考資料:埼玉県農業再生協議会公表 埼玉県における生産量の目安(単位:t)

2020年産 生産量の目安 2019年産 生産量の目安 増減 2019年産 生産量
埼玉県 146,855 148,698 ▲1,843 148,900
埼玉県
2020年産 生産量の目安 146,855
2019年産 生産量の目安 148,698
増減 ▲1,843
2019年産 生産量 148,900

 

2)米政策の主な変更点について

2019年度 □飼料用米・米粉用米の多収品種加算(1.2万円/10a)・多収品種の取組面積に応じて産地交付金を配分 ※「むさしの26号」が該当

2020年度 □飼料用米・米粉用米の複数年契約加算(1.2万円/10a)・より安定的な生産・供給にシフトするため、多収品種加算を見直して複数年契約加算を創設(3年間以上の契約栽培)

 

3)JAいるま野の対応について

19年度より、収量性が高く多収品種加算が得られる『むさしの26号』を米粉用米専用品種と位置付け、本格的な取り組みをはじめました。20年度についても、『むさしの26号』に力を入れ、反収増を目指していきます。複数年契約加算は3年間以上の契約が必須となりますが、生産者のニーズに合わせて取り組むことといたします。
※契約の諸条件がありますので、詳しくは米麦特産課(☎049-227-6158)までお問い合わせください。

20年産米に向けたJAいるま野の取り組みについて

1)買取目標

『彩のきずな』は生産拡大が進み、「コシヒカリ」に比べ835t上回る買取りとなりました。地産地消を基本としていますが、これまで以上に『JAいるま野産彩のきずな』として需要に応じた販売ができています。
「コシヒカリ」「彩のかがやき」についても市場からの評価は非常に高く、さらなる販路拡大と認知度向上のために、集荷拡大を目指して取り組みます。

2)極早生品種『五百川』の取り組み

JA管内で採れた新米をいち早くお届けしようと、19年産より取り組みをはじめました。初めて栽培することもあり、栽培に関しては苦労もありましたが、いち早く新米をお届けするという付加価値にプラスして、環境・循環型社会に寄与できるお米として『BG無洗米』に精米加工し、消費者にお届けしました。
20年産も約10ha、14人の生産者と取り組みを継続していきます。

『BG無洗米』とは?

とぎ洗いが不要なことからとぎ汁が発生しないため、環境に優しいお米です。

※『金芽米』もBG無洗米となります。

3)『金芽米』の取り組み

19年6月27日、当JAは東洋ライス㈱と包括連携協定を締結しました。JA産米を使い販売する『金芽米』などを通じ、健康増進や循環型農業への達成に向け、協力して取り組んでいきます。また、『金芽米』はおいしさと栄養、環境や循環型社会に寄与できるお米です。今以上に『金芽米』を増やすことで、地域の皆様の健康・環境貢献にも繋がります。持続可能な農業を行っていくためにも、取扱数量を伸ばしていきます。

4)マーケットイン(需要に応じた生産)に基づく実需者とのマッチングについて

「売れる米づくり」を目指す中で、実需者が求める品種を作付けし販売に繋げることも重要です。地域の担い手や各生産組合と連携して販売方法・販売先に事前提案を行い、需要に応じた生産販売を目指すことで、農業所得の増大・農業生産の拡大に向け挑戦を続けます。

生産者が栽培した米を使った
日本酒など

さけ武蔵(JAさけ武蔵生産組合)

大吟醸 斗瓶取り雫酒(鏡山酒造)

歴史ある全国新酒鑑評会で“金賞”を獲得した生産者ら

彩のきずな(JA南畑米生産組合)

縄文海進と縄文海進を原酒にした梅酒(佐藤酒造)

純米吟醸酒 縄文海進を手にする、JA南畑米生産組合の新井幸雄組合長㊨

地元企業との連携

JA管内の学校給食への供給

実需者が求める品種の契約栽培

東洋ライス(株)との連携から、JA産 彩のきずなを原料にした「金芽米」が、ANA北米・ヨーロッパ路線のファーストクラスの機内食に初採用!

JA産の彩のきずなを原料に使った「金芽米」が、北米・ヨーロッパ路線(一部路線を除く)ファーストクラスの機内食として、19年12月から20年2月まで初採用されました。
これは、ANAグループの「様々な地域とともに日本の多様な魅力を発信し、地域活性化に貢献する」プロジェクト(Tastes of JAPAN by ANA-Explore the regions-)で、19年5月から12月にかけて関東が特集されたことが始まりです。
(株)ANAケータリングサービス調理統括室 和食統括部の森誠剛部長は「彩のきずなの『金芽米』は旨味が強く粘りもあり、料理全体とのバランスが良く取れていた。また、生産者が暑さの厳しい埼玉で苦労されながらも、懸命に栽培している背景も伝わった」と採用理由を話しました。
JAは2月まで(株)ANAケータリングサービスに供給し、彩のきずなの「金芽米」は生産者やJAの想いを乗せ、北米・ヨーロッパに向けてフライトしました。

19年6月の東洋ライス(株)との包括連携協定

JA産の「金芽米」を手にする(株)ANAケータリングサービス調理統括室 森誠剛和食統括部長(左)とJA原田一営農・資産管理担当常務(右)ら

生産者やJAの取組みを伝えるJA原田常務(左)

北米・ヨーロッパ路線のファーストクラスの機内食として2月29日まで提供(写真:ANA提供)