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人気農家カフェで
地元農産物を味わう

丹精込めて育てた農産物を身近に感じてほしいと近年、農家カフェを開業する農家が全国的に増えています。
今月の特集は管内の人気農家カフェをご紹介します。カフェ巡りで地元農産物を味わい、心地良い時間を過ごしてみませんか。


農家カフェ ましゅましゅ 川越市伊佐沼(芳野支店管内)

両親と育てたコシヒカリ
トマトやミートソースがマッチする「ましゅ飯プレート」

風光明媚な田園風景が広がる川越市の伊佐沼のそばに、行列ができる農家カフェがあります。
自家栽培するコシヒカリや野菜などを使った料理を提供し、オープンから4年が経過した今では、店主夫婦の素朴な人柄や料理の美味しさが評判で、市内外から多くのファンが来店します。

「農家カフェ ましゅましゅ」を経営するのは芹澤直樹さん(46)と妻の深雪さん(43)夫婦。
カフェを始めたきっかけは、流通業界に長く勤めていた直樹さんが「会社の商品開発はお客さんの顔が見えにくく、接点がなかった。それなら自分で店を構え、大好きな料理を作って食べてくれるお客さんの顔が見たい」と会社を退職したことでした。
学生の頃に調理師免許を取得していた直樹さんは、開店に向けて準備を進めながら、県内外や旅先のカフェを夫婦で訪れ、メニューや建物の造りを参考にしました。

農家カフェ ましゅましゅ

カフェは平成26年の1月にオープン。外壁は黒色を基調とし、窓枠は赤色が使われたお洒落な建物です。約30人が入れる広い店内は木の温もりを感じることができます。
お子様連れの来店者も食事をゆっくり楽しめるようにと、テーブル近くの棚には絵本が置かれ、直樹さん夫婦の来店者に対するきめ細やかな気配りを感じることができます。

 

芹澤さん夫婦がお薦めする「ましゅ飯プレートのシフォンケーキセット」1,300円(税込み)

看板メニューの「ましゅ飯プレート」は、ご夫婦お気に入りの北欧製の器に、炊き立て自家製コシヒカリが盛られ、半熟目玉焼きがご飯の上に乗ります。
半熟目玉焼きにスプーンを入れるとトロリと流れ出し、アボカドやトマト、ミートソースと絡めて食べると良く合います。食欲が落ちる夏場でもお薦めの一品です。セットメニューの野菜の入ったスープや妻の深雪さんが作るオリジナルドレッシングもサラダの美味しさを引き出します。

使用する野菜は自家栽培したものが基本ですが、メニューや季節に応じて近所の農家や地元直売所などで購入しています。
その他にも「カレーライス」「パスタ」などのメニューも充実しています。スイーツ作りが得意な深雪さんが腕を振るって作るシフォンケーキは、膨張剤を使用せずに焼き上げます。器に一緒に添えられたバニラアイスを乗せ、口に入れるとふわふわ感としっとり感を味わうことができます。多い時で1日30食の注文があり、特に女性からの人気が高いそうです。

 

農業は父の武さん(右)から学んでいます。2人のお子さんは元気に収穫のお手伝い

直樹さん夫婦は店を営む傍ら、両親と米作りなどを行っているため、農繁期の田植えや稲刈り時期には店休し、農作業に汗を流します。
直樹さん夫婦は「これからも地産地消にこだわり、地元野菜を多く使い、来店者が笑顔になる美味しい料理を提供していきたいです。食を通じて、お店が地域の交流の場になれば嬉しいですね」と笑顔で夢を話します。

農家カフェ ましゅましゅ

住所/埼玉県川越市伊佐沼7-1
電話番号/ 049-229-5880
営業時間/ 11:00 ~ 21:30(LO 21:00)
定休日/日曜日・月曜日


鶴ヶ島市太田ヶ谷(鶴ヶ島支店管内)青い星印★果樹園 ベリー畑カフェ

旬のブルーベリーを使ったフレッシュジュースや
チーズタルトケーキ、シフォンケーキ

ベリー畑カフェの店内に一歩足を踏み入れると軽やかなジャズのBGMとともに、高い天井と大きな窓から広がるブルーベリー畑が開放感を感じさせてくれます。
人気メニューは、100%フレッシュジュースやブルーベリーチーズタルトケーキ。
夏の太陽を浴びた濃厚で甘酸っぱいブルーベリーの風味が口いっぱいに広がります。

 

果樹園とカフェを3人で切り盛りする村田さん親子

「初めて来店した方はブルーベリーチーズタルトを注文される方が多いので、一年を通して提供できるように心がけています。
タルトは国産小麦とバターを使い、じっくりと丁寧に焼きあげています。
夏はブルーベリーを期待して来店される方が特に多いので、ブルーベリーを使ったシフォンケーキなども用意しています。
自家栽培や地元産の野菜を多く使った、ブルーベリーの炊き込みご飯のランチメニューもありますよ」そう話すのは村田幸子さん(65)。
鶴ヶ島市太田ヶ谷で夫の耕一さん(69)とともに「ベリー畑カフェ」と「青い星印★果樹園」を夫婦で経営。
カフェは幸子さんと次女のまいさん(37)が切り盛りし、果樹園は耕一さんが管理しています。

村田さんご夫婦とブルーベリーの出会いは昭和62年に自宅を新築した時でした。
新築祝いにプレゼントされたブルーベリーがたくさんの実をつけ、家族が喜ぶ姿を見た耕一さんは、果樹園を開くことを決意。平成19年3月に36年勤めた教員生活にピリオドを打ちました。
同年4月に当時鶴ヶ島市内にあった県農業大学校へ1年間通い、果樹を専攻しました。元々耕一さんは農家でなかったため、果樹園を開くための土地探しは大学校に通いながら鶴ヶ島市やJAに相談したそうです。
「担当者が親身になって相談に乗ってくれたお陰で安心して農業大学校で学ぶことが出来た。当時の担当者に感謝しています」と振り返ります。
大学校でのカリキュラムを終え、平成20年4月に就農しました。
それから2年後の7月に念願の「青い星印★果樹園」を開園し、翌年には「ベリー畑カフェ」をオープンさせました。

6月下旬、収穫期を迎え、園内は連日摘み取り客でにぎわいをみせます

幸子さん手作りのブルーベリージャム。人気商品のためすぐに売り切れるという

予約をすれば自家栽培野菜をふんだんに使ったランチも 食べられます。「ランチセット」1,050円(税込み)

就農当時300本だったブルーベリーも7年経過した今では、2倍の600本に増えました。
耕一さんはこの季節、朝の7時前後に畑に入り、たわわに実ったブルーベリーを一粒一粒わが子のように優しく丁寧に摘んでいきます。
朝摘みにこだわっているのは「カフェに来店するお客さんに新鮮なブルーベリーを味わってもらいたい」との思いからです。
その思いが伝わり、教員時代の教え子や近隣の市町、遠くは神奈川県からもファンが訪れる人気スポットに。
来店者の約8割は女性だそうです。

 

早朝から夫婦仲良くブルーベリーの収穫作業

幸子さんは現在、鶴ヶ島市役所と連携し、毎月第4水曜日の午後には、認知症の方やその家族、専門職の方々などが集う「オレンジカフェ」(認知症カフェ)として店を提供しています。
また、冬場にはランチコンサートを催し、音楽演奏する方に無料で会場を貸し出すなどしています。
今後の夢を耕一さんは「ブルーベリーの魅力を発信して、新規就農時にお世話になった鶴ヶ島市の農業の活性化に協力していきたい」と話し、幸子さんは「季節に応じ、ブルーベリーや地元の農産物をランチメニューに多く取り入れていきたい」と話します。

青い星印★果樹園

開園期間/6月下旬から
8月下旬(予定)
休園日/月曜日
※入園料等はお問い合わせくだ
さい。

ベリー畑カフェ

住所/鶴ヶ島市太田ヶ谷542-5
電話番号/ 049-299-7550
営業時間/ 10:00 ~ 17:00
 (ランチ 11:30 ~ 14:00)
定休日/月曜日
※冬期は日曜日、祝日が不定休
 詳しくはウエブサイトまで。

http://www.aoihoshijirushi.com