スクミリンゴガイの対策

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近年、暖冬の影響により埼玉県内でスクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)の発生が広がっています。JA管内でも富士見市・ふじみ野市の水田において発生が確認されています。移植後のイネが食べられる被害も出ていることから、発生地域では次期作までに対策を行いましょう。

1 スクミリンゴガイとは

ジャンボタニシとして広く知られている貝であり、食用として海外から持ち込まれました。古くから水田に生息する在来種のタニシとは異なります。
特徴は、長い触角と短い螺旋部を持つことと、成貝では3センチメートルを超える大きさになることです。(写真1)また、成貝がイネの茎などに産み付ける卵塊(写真2)は、鮮やかなピンク色をしています。
水田内に侵入すると、田植え後の柔らかいイネを食害するため、欠株が生じて収量に影響することがあります(写真3)。

写真1 成貝(左)と長い触角(右)
写真2 卵塊(ピンク色)
写真3 食害による欠株ほ場

2 被害を防ぐための対策

(1)冬季の耕うん

スクミリンゴガイは寒さに弱いため、冬季の耕うんにより貝の密度を減らしましょう。土中で冬眠している貝を掘り返して冷気にさらすとともに、貝を砕きます。耕うんの深さは浅めで、通常の半分以下の作業速度で丁寧に耕うんします。

(2)田植え後の浅水管理

田植え後は2~3センチメートルの浅水にすると、食害を減らすことができます。また、浅水にすると水温が上がり、イネの分げつも促進されます。

(3)薬剤による防除

スクミリンゴガイの対策は前述の(1)、(2)を基本としますが、水田の貝密度を減らしたい場合などは、薬剤による防除をしましょう。

◇登録のある農薬

・ スクミノン(10アールあたり1~4キログラムを散布、収穫60日前まで、2回以内)
・ スクミンベイト3(10アールあたり2~キログラムを散布、発生時に散布)

(4)侵入防止も大切

未発生のほ場でも、近隣のほ場や水路でスクミリンゴガイが発生している場合、水口から侵入する可能性があります。侵入防止には水口に1センチメートルほどの網目の網袋等を取り付けましょう。

令和4年8月10日現在の農薬登録内容で作成。
農薬を使用する際には、必ずラベルを確認しましょう。農薬の飛散防止に努めましょう。農薬の使用記録簿をつけましょう。