組合長が首相官邸を訪問
石破首相へ農政課題を要望

JAは7月末から9月にかけて、水稲の収量および品質低下をもたらすイネカメムシ対策を目的に、ドローンによる広域防除を実施しました。
今年は約600戸から管内の水田面積の3割にあたる約850ヘクタールの防除を受託。ドローンでの作業時間は10アールあたり1分ほどで、農作業の省力化やコスト削減、安定生産に寄与します。
JA担当者は「JA管内の農家が安定経営できるように取り組んでいきたい。今後も広域防除の体制を整えて米の安定生産につなげていきたい」と話しました。
今後は今年のデータを活用し、品種や作型を考慮した防除なども検討していきます。
ドローンによる防除作業
狭山茶の主産地として知られる入間市、所沢市、狭山市は7月下旬に、三重県鈴鹿市、奈良県生駒市と共創して、大阪・関西万博のEXPOメッセ「WASSE」で日本茶の魅力をPRするブースを出展しました。
出展ブース「TEA Journey~日本茶の文化と風味を楽しむ~」は、「茶の文化に触れ、茶を味わい、五感で楽しんでもらう」をコンセプトに企画され、手
来場者は「日本茶の伝統を感じられて良かった。これからも茶の魅力を世界に発信してほしい」と話しました。
来場者に手揉み茶を実演する生産者
JAいるま野が2019年度から産地化を目指して栽培に取り組んでいる極早生品種「五百川」の稲刈りが川越市で行われました。
「五百川」は、福島県の生産者が「コシヒカリ」の突然変異を系統育種したもので、収穫期が1カ月ほど早いのが特徴。軽やかでさっぱりとした食味などが魅力です。
川越市の金子昌弘さんと息子の司さんは約1.7ヘクタールで「五百川」を栽培しています。8月1日には、約30アールの水田で1メートルほどに伸びた稲穂を約1.3トン刈り取りました。今年は6月以降に高温が続いたため、例年より5日ほど早い収穫となりました。
昌弘さんは「食味を活かしたお茶漬けなどで食べるのがおすすめです」と笑顔で話しました。
「五百川」の刈り取りをする司さん
第33回全国手もみ茶品評会で日本一の一等一席に入賞した入間市の間野隆司さんが8月22日、入間市手揉狭山茶保存会の会長らとともに同市の杉島理一郎市長に受賞の報告をしました。
品評会は16都道府県から87点が出品され、形状や色沢、滋味などの5項目を審査。間野さんは200点満点を獲得し、通算3度目となる栄冠を手にしました。
また、入間市は20年連続25回目の産地賞(直江晴男杯)にも輝きました。
間野さんは「今回の茶はこれまでの中で、一番出来が良く、手応えを感じていた。今後は、後進の指導や育成にも力を入れたい」と意欲をみせました。
杉島市長(右)に受賞の報告をする間野さん
富士見市で8月上旬から9月中旬頃にかけ、特産の梨が収穫最盛期を迎えました。富士見梨生産組合の田中正仲さんが経営する梨園でも、甘くみずみずしく育った「幸水」や「彩玉」、「豊水」、「秋月」が収穫され、軒先販売やJA農産物直売所に出荷されました。
梨は、
田中さんは「冬場の
収穫作業に励む田中さん
坂戸市大家地区で8月18日、イチジクの収穫が始まりました。「大家いちじく俱楽部」の長野芳憲副会長は、赤く色づいたイチジクを綿の手袋をはめて丁寧に収穫していきました。
長野副会長が栽培するイチジクは県の特別栽培農産物の認定を受けています。約3アールの
長野副会長は「今年は暑さの影響で例年に比べ生育が1週間ほど遅れたが、品質は良好。甘みの強いイチジクに仕上がった。今後も天候に注意を払い、少しでも多く収穫できるよう努めたい」と話しました。
イチジクの収穫をする長野副会長
JAいるま野西部果樹部会は8月28日、飯能市のJA飯能支店でブドウと梨の糖度検定会を開きました。
県川越農林振興センター職員は「ブドウは糖度が高く、昨年よりも色付き良く仕上がった。梨も少雨による水不足が懸念されたものの、いずれの品種も糖度が高く仕上がっており、栽培管理を徹底していたことが
同部会の小谷野伸一会長は「連日の猛暑や雨量の少なさなど、厳しい環境であったが、生産者の努力によって例年並みの品質に仕上がった。今後も部会全体で品質重視の栽培に努めたい」と話しました。
梨の糖度を確認する県川越農林振興センター職員(右)
川越市で8月22日、小麦「ハナマンテン」種子の生産物審査会および農産物検査が行われ、JAいるま野の子会社のいるま野アグリが生産した種子約8.4トンが審査基準を満たし、全量合格となりました。
JAでは、これまで長野県産の原種を使い、「ハナマンテン」の生産をしていましたが、より安定的に小麦の種子を供給するため、同社が管理する富士見市内の水田を指定種子生産
合格した種子は、今秋の
種子の審査をする県川越農林振興センター職員
三芳町で8月3日、世界農業遺産認定記念事業の一環として「農業遺産農業塾」が行われました。同町を含む三富地域は2023年に伝統農法「武蔵野の落ち葉堆肥農法」が世界農業遺産に認定され、農業の振興に力を入れています。
当日は地域住民ら9人が参加し、同町で12世代にわたり鈴木園を営み、同農法の実践農業者である鈴木紀啓さんが管理する落ち葉の堆肥場や平地林などを見学しました。
講座は計4回を予定。収穫体験や体験落ち葉掃きなどを通して、伝統農法を学んでいきます。
講師を務めた鈴木さん((左)から2番目)と参加者ら
JAいるま野結婚相談員連絡協議会は8月2日、JA本店で婚活セミナーを開催しました。結婚相談所登録者の婚活意欲とスキルの向上を目的に行われ、JA共済連埼玉県本部の地域・農業活性化積立金を活用し、14人が参加しました。
当日は、結婚相談所「とやま縁寿サービス」の西田昌史所長が婚活相手に好印象を与える身だしなみや、婚活で役立つ異性とのコミュニケーションスキルなどを分かりやすく説明しました。
参加者は「自分の内面を相手に伝える前提として、身だしなみが重要だということや飲食店選びの大切さなどを学べて良いセミナーだった」と話しました。
講演を行う西田所長
JAいるま野は8月8日、東京都の首相官邸を訪問し、石破茂首相に国内農業が抱える課題などについて要望を行いました。魁雪 」、市場にブランド品として定着しているエダマメの「いるまめ」を贈呈し、地域特産物の魅力をPRしました。
要望は「再生産可能な国内農産物の適正価格の形成」や「国内農業に対する消費者の理解醸成」、「持続的な国内農業の実現」など、農業者の現状を踏まえた課題について意見を述べました。
当日は意見交換に加え、JAの亀田康好組合長が、大阪・関西万博にも出展されたJA管内特産の「狭山茶」や、越生町の梅干し「
亀田組合長は「近年の農産物の価格高騰や米騒動など農家が抱える課題は多い。消費者が国内農産物を守ろうという意識が芽生えるよう政府として取り組んでいただきたい」と話しました。
石破首相(左)に特産物を手渡す亀田組合長