秋冬野菜における害虫対策について

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秋冬野菜の栽培時期が近づいてきました。今回は、近年多発傾向にある害虫の対策について紹介します。

【シロイチモジヨトウ】

ネギやブロッコリーを中心に被害が広がっており、野菜、花など60品目に加害します。
卵塊(1か所数十~百粒)は石灰職の鱗毛で覆われており、葉裏に産み付けられることが多いです。
幼虫には、胴部の側面に白線があります。若齢期は黄緑色ですが、中齢期以降は淡緑色から黒褐色など変異に富みます。

〇防除のポイント

老齢幼虫は若齢幼虫に比べて薬剤が効きにくいため、若齢幼虫の間に薬剤防除を行いましょう。
また、近年薬剤に対する抵抗性が発達しています。薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連用を避けましょう。

【ハイマダラノメイガ】

シンクイムシとも呼ばれ、ダイコン、ハクサイ、キャベツ等のアブラナ科野菜の芯(生長点)を食害し大きな被害を与えます。夏期から初秋にかけては種または移植する作型で被害が大きくなります。

〇防除のポイント

夏季が高温少雨の年は多発が予測されるので、は種を発生の多い8月中下旬から9月上中旬にずらしましょう。
育苗時は寒冷紗等2mm目合い程度の防虫資材で被覆し、成虫の侵入を防止しましょう。
対象となる作物に登録のある薬剤を使用し、育苗期から本ぽ生育初期に防除しましょう。
多発時には種した場合は、発芽直後に産卵されるため、孵化幼虫が食害を開始するは種10日後(本葉1葉期頃)に必ず薬剤散布を行いましょう。
また、薬剤散布の際、特に芯部に十分かかるようにしましょう。

【オオタバコガ】

ナス、トマト等の果菜類や、キャベツ、ハクサイ等の結球内に入り食害し、被害を与えます。
卵は比較的若い葉の裏面や果実等に1個ずつ産卵されます。
若齢幼虫が果実などを食害し、円形や楕円形の孔をあけます。1頭の幼虫が広範囲を渡り歩いて加害するので、発生量が少なくても被害は多くなります。

〇防除のポイント

葉や新鞘などで、虫糞の排出や新しい食害痕周辺を中心に幼虫を探し、ほ場外に持ち出してから処分しましょう。
老齢幼虫は薬剤の効果が低下するため、薬剤散布は若齢幼虫のうちに行いましょう。また、幼虫が作物内に食入すると薬剤散布の効果が低下します。被害を確認したら直ちに防除しましょう。
薬剤抵抗性が発達しやすいので、系統の異なる薬剤をローテーション散布しましょう。

写真提供:HP 埼玉の農作物病害虫写真集