昨年度、黒色品種では十分に着色しない赤熟れ果が多く発生しました。着色向上技術に取り組み、高品質生産を目指しましょう。
着果量を適正に保つことで光合成同化産物が果房に配分され、果粒肥大や着色が促進されます。着果量は摘房や摘粒で調整します。
【摘房】花穂整形時に1新梢当たり1花穂を基本にし、摘粒と合わせて果形の悪い房、果粒肥大の劣る房などを摘房します。
【摘粒】無核栽培の予備摘粒は第1回ジベレリン処理から4~5日後に、内向き果中心に行います。仕上げ摘粒は第2回ジベレリン処理後できるだけ早く行いましょう。
クイーンニーナなどの赤系品種は、巨峰、ピオーネより着色不良を招きやすいため、目標収量1.2t、着果量は2,400房程度としましょう。
環状剝皮は主幹部の表皮および師管部を1周ぐるりと削り取り、葉の同化産物を果実へ分配を促す技術です。
着色向上の他、着粒安定、果粒肥大促進、成熟促進などの効果が報告されています。着果量の調整と組み合わせて行うことにより効果が高まります。通常主幹に処理しますが、主枝や結果枝への処理でも効果が得られます。
※削り取りの程度によっては着色効果が安定しない場合や、樹勢が極端に低下してしまう場合があります。また、樹勢の低下した樹への処理は癒合不良が発生する可能性があるため注意が必要です。
【方法】カッターナイフを用い5mm幅で剥皮(薄皮も残さず除去)し、傷口はビニールテープで保護します。虫害を防ぐため、1か月程度でテープを除去します。
処理時期:満開後30日~35日
埼玉県川越農林振興センター
農業支援部
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