「東野ひでき議員に問う
農業が抱える諸問題について」
今年7月に行われた参議院議員通常選挙で初の当選を果たした東野ひでき議員。「令和の米騒動」に象徴されるように農産物の価格転嫁や担い手問題など現在の農業を取り巻く情勢は厳しく、多くの組合員は不安を抱えています。
こうした中、JAでは組合員の皆さまにより良く農業に取り組んでもらうために、東野議員をお招きし、現在の農業が抱える諸問題について対談を行いました。
今号の特集では、対談の様子を分かりやすくまとめてご紹介いたします。
農産物の価格転嫁について
亀田組合長:近年、食の重要性に対する世論が高まり、社会全体が農業に関心を寄せる機会が多くなっていますが、農産物の価格転嫁などについては今なお多くの課題を抱えています。この課題について、どのようにお考えでしょうか。
東野議員:私も一生産者として、農産物の価格転嫁の難しさについては、身をもって感じています。こうした課題について大切なのは、「実効性のある法案(仕組み)づくり」そして「食料安全保障における消費者理解の醸成」を合わせて考えることだと思います。食料システム法にも
また、消費者理解の醸成という観点からは、JAいるま野管内は「都市近郊農業」であることから、消費者と生産者の距離が近いことが利点です。こうした特性を活かし、生産者と消費者を繋ぐ取り組みや農業従事を志す人へのサポート、親子への食育などを行うことで、食の大切さを伝え「食の応援団」を作っていくことが重要だと思います。
私自身も生産者から議員になったことで、メディアや政治家そして世論など様々な立場の人々に情報を発信する機会を得ました。現場を経験してきたからこそできる本当の食育を伝え「汗をかいた分、適正な評価がされる農業の実現」「日本の美味しい農産物を守っていこうという消費者理解の醸成」に向けて取り組んでいきたいと思っています。
亀田組合長:東野議員の考えについては、私自身も食育に携わっていたこともあり、身をもって重要性を感じています。JAでは消費者への農業に対する理解醸成のため、食育の一環として准組合員を対象とした収穫体験ツアーなどを企画し、農業に触れ合う場の提供に努めています。
生産地は、我々のような消費者との距離が近い土地だけでなく、生産に注力した土地など様々な役割があると思います。各々の地域の特性に合わせた役割を果たし、一人でも多くの消費者から理解を得ることがこれからの農業には重要となってくるので、東野議員には、今後の農業の未来に向けた施策の展開を期待しております。
米に関する問題について
亀田組合長:「令和の米騒動」という言葉に象徴されるように、米に関する問題は消費者だけではなく、生産者にとっても目下の課題となっています。この問題に対してどのようにお考えでしょうか。
東野議員:米に関する問題は消費者からの関心も高く、適正価格についての議論は尽きないものだと思います。そのような中でも「農家が再生産できる価格」と「消費者が食べ続けることができる価格」のバランスを考え、生産者と消費者の双方が改めて米について学び、考えていくことが重要です。
米については、中山間地域や平地といった地域特性など生産者一人ひとりが抱える事情によって、適正な米価は異なってくると思います。米の価格についての現況は、生産者が経営者として改めて米について考えを深め、見つめなおす良い機会だと感じています。消費者についても、米の価格が高いか安いかという目線だけでなく、資材の高騰といった背景を踏まえ、今一度米について理解を深めていただけたらと思います。
また、過去の法令に
亀田組合長:ご意見ありがとうございます。私も「令和の米騒動」を経て、改めて米や農産物について、生産者と消費者の双方が考える機会を持つことは大切だと感じています。また、消費者理解の醸成における予算の見方についても、東野議員が仰るとおり、ここが一つの転換期だと思っています。「農家の生活を守るための予算」という見方だけでなく、ひいてはそれが「消費者への安定的な食料の供給に繋がる」ということを予算計画と併せて消費者へ伝えていってほしいと思います。JAとしても多様な農業が息づくことで、消費者の食が守られていることを、様々な活動を通して広く消費者に伝えていきたいと考えています。
JAいるま野管内の特産品について
亀田組合長:JAいるま野管内はサトイモや狭山茶、柚子やサツマイモなどの特産品が栽培され、JAとしてもその維持に尽力しています。また、全国食味ランキングで県西地区の「彩のきずな」が5年連続で最高位の特Aを獲得するなど、埼玉県の農業を評価する声が高まってきています。こうした中で特産品を今後も発展させていくためには、どのような施策が考えられるのか、お聞かせください。
東野議員:JAいるま野管内は、「米あり・お茶あり・野菜あり・果物あり・畜産あり」と様々な分野の産地が複合的に集まっていることが何よりの魅力だと感じています。こうした環境の中では地域内で好循環が生まれやすく、各分野間だけでなく他産業や行政、国などとの連携も更に強固なものにしていけば、どこの地域にもない強みになると思います。
私自身も農業の転換期にあたるこの重要な時期に、議員に選出されたことには大きな使命感を感じています。様々な分野と連携し、今まで手をつけられてなかった課題にも着手して国に働きかけを行うことで、与えられた役割を全うしていきたいと思います。
亀田組合長:東野議員の力強いお言葉、ありがとうございます。JAでは狭山茶を加工したスティックパウダー茶「SAYAMACHAKO」や「彩のきずな」のパックご飯を商品化するなど、特産品に新たな価値を付与する6次産業化にも取り組んでいます。様々な分野の産地がある土地には、それに付随して多様な分野の企業や事業者が集まる傾向があります。今後も各々との連携を深め、地域農業の発展のために尽力したいと思います。
また、特産品のサトイモやホウレンソウ、エダマメなどに代表されるようにJA管内では、先祖伝来の土地を受け継ぎ、日々奮闘している若手生産者も多くいます。市場流通においても資材費を加味した価格形成など、今後の「食と農」を担う若手生産者が農業を続けていけるような施策や取り組みを期待しております。
東野ひできプロフィール
- 生年月日:昭和46年11月25日(53歳)
- 出身:北海道名寄市
- 家族:両親、妻、息子夫婦、孫3人の9人家族
- 座右の銘:置かれた場所で咲く
経営概況
稲作(もち米)17ヘクタール、小麦2ヘクタール、アスパラガス、寒締めほうれん草、スイートコーン、切り花、薬用作物など
経歴
- ・名寄高校、拓殖大学北海道短期大学農業経済科卒業。
- ・旧風連農協青年部長、JA道北なよろ代表理事専務、組合長などを経て、令和5年会長理事、ホクレン農業協同組合連合会代表監事。
- ・令和6年全国農業者農政運動組織連盟顧問。北海道指導農業士。
- ・令和7年7月の参議院議員通常選挙で初当選。
東野ひできの政策~東野ひできがめざすもの~
「農業者・JAとともに まっすぐな農政!」の実現をめざし、未来を拓くための農政に邁進します。
- ①持続可能な農業を実現するとともに、食料安全保障の確立に全力を尽くします!
- ②適正な価格形成を実現するとともに、消費者の理解醸成をはかります!
- ③生産基盤の維持・確保をはかるとともに、多様な農業者が誇りをもって営農できる施策を拡充します!
東野ひでき議員の政策等の詳細は下のリンクボタンからご確認ください。
東野ひでき 公式サイト >