小麦栽培について

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埼玉県川越農林振興センター

農業支援部
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近年は小麦栽培においても、暖冬等の気候変動の影響がみとめられています。「基本技術」の再確認や、畑をよく観察することで変化に適応しましょう。

1 小麦畑の準備のポイント

①耕うん・整地

畑の砕土・整地が粗いと苗立率が低下します。また、除草剤の効力も劣ります。丁寧に行いましょう。

②土壌改良資材・施肥

耕起前にpHの測定を行い、石灰質資材を用いて調整しましょう。生育に好適なpHは6.0~6.5です。また、表1を参考に施肥を行いましょう。

2 播種のポイント

①種子消毒

配布種子は種子消毒済でないので、ベンレートTコート等で種子消毒をしましょう。

②播種時期

11月10日~11月25日

②播種量

「さとのそら」は5~7kg、「ハナマンテン」は5~6kg

③播種深度

播種深度は深すぎても浅すぎても収量及び品質に影響します。播種深度は2~3cmになるよう調整しましょう。

表1 品種別施肥量(窒素成分kg/10a)

品種名 基肥 追肥
さとのそら 6~7 出穂前までに4
ハナマンテン 5~6 茎立前に2
出穂期に2~4

3 雑草対策のポイント

ネズミムギ等雑草の繁茂は小麦の健全な生育を妨げます。気温の上昇により、雑草の生育も速くなっているため、防除適期を逸すると手遅れになる場合があります。ご注意ください。

①畑の鎮圧

耕うん後、畑の状態次第では、播種時に鎮圧ローラーの設置圧を強めたり、播種直後に麦ふみローラーで鎮圧したりしましょう。

②播種後の土壌処理剤散布

雑草の出芽前までの除草剤処理は効果が安定するので、必ず処理しましょう(表2)。

③除草剤処理の注意点

粒剤の場合、土壌がやや湿り気のある時に散布します。
乳剤やフロアブル剤の処理で土壌が乾燥している場合、薬量はそのままで希釈水量を(範囲内で)多めにします。

④雑草発生状況の観察

小麦出芽後にほ場を巡回し、雑草の発生状況を確認しましょう。雑草が発生していたら、小麦生育期の除草剤処理を検討します(表2)。

表2 小麦播種後から使用できる除草剤

薬剤名 使用時期 対象雑草名
キックボクサー細粒剤F 小麦播種後出芽前
(雑草発生前)

一年生雑草
イネ科
広葉
スズメノテッポウ※
ヤエムグラ他

※スズメノテッポウはSU やトリフルラリン抵抗性のものに注意する必要がある。

クリアターン乳剤 小麦播種直後
(雑草発生前)
クリアターン細粒剤F 小麦播種直後
(雑草発生前)
ゴーゴーサン細粒剤F 小麦播種後出芽前
(雑草発生前)
ゴーゴーサン乳剤 小麦播種後~小麦2葉期
(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで)
ボクサー(乳剤) 秋播き栽培の小麦播種後~小麦4葉期
(雑草発生前~発生始期)
ムギレンジャー乳剤 秋播き栽培の小麦播種後出芽前
(雑草発生前)
リベレーターG(粒剤) 秋播き小麦播種後~小麦2葉期
(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで)
リベレーターフロアブル 秋播き小麦播種後~小麦3葉期
(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで)

4 麦ふみ

3葉目が見えたら、年内に1回、茎立ち前(3月中旬)までに2週間程度間隔をあけて2回、計3回を目標に行います。

5 さいごに

農薬の情報は令和7年9月10日時点です。農薬を使用の際は必ずラベル等の表示を確認し、飛散防止の対策等適切に使用しましょう。また、農薬を使用したら使用記録簿を付けましょう。