近年は小麦栽培においても、暖冬等の気候変動の影響がみとめられています。「基本技術」の再確認や、畑をよく観察することで変化に適応しましょう。
畑の砕土・整地が粗いと苗立率が低下します。また、除草剤の効力も劣ります。丁寧に行いましょう。
耕起前にpHの測定を行い、石灰質資材を用いて調整しましょう。生育に好適なpHは6.0~6.5です。また、表1を参考に施肥を行いましょう。
配布種子は種子消毒済でないので、ベンレートTコート等で種子消毒をしましょう。
11月10日~11月25日
「さとのそら」は5~7kg、「ハナマンテン」は5~6kg
播種深度は深すぎても浅すぎても収量及び品質に影響します。播種深度は2~3cmになるよう調整しましょう。
表1 品種別施肥量(窒素成分kg/10a)
| 品種名 | 基肥 | 追肥 |
| さとのそら | 6~7 | 出穂前までに4 |
| ハナマンテン | 5~6 | 茎立前に2 |
| 出穂期に2~4 |
ネズミムギ等雑草の繁茂は小麦の健全な生育を妨げます。気温の上昇により、雑草の生育も速くなっているため、防除適期を逸すると手遅れになる場合があります。ご注意ください。
耕うん後、畑の状態次第では、播種時に鎮圧ローラーの設置圧を強めたり、播種直後に麦ふみローラーで鎮圧したりしましょう。
雑草の出芽前までの除草剤処理は効果が安定するので、必ず処理しましょう(表2)。
粒剤の場合、土壌がやや湿り気のある時に散布します。
乳剤やフロアブル剤の処理で土壌が乾燥している場合、薬量はそのままで希釈水量を(範囲内で)多めにします。
小麦出芽後にほ場を巡回し、雑草の発生状況を確認しましょう。雑草が発生していたら、小麦生育期の除草剤処理を検討します(表2)。
表2 小麦播種後から使用できる除草剤
| 薬剤名 | 使用時期 | 対象雑草名 |
| キックボクサー細粒剤F | 小麦播種後出芽前 (雑草発生前) |
一年生雑草 ※スズメノテッポウはSU やトリフルラリン抵抗性のものに注意する必要がある。 |
| クリアターン乳剤 | 小麦播種直後 (雑草発生前) |
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| クリアターン細粒剤F | 小麦播種直後 (雑草発生前) |
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| ゴーゴーサン細粒剤F | 小麦播種後出芽前 (雑草発生前) |
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| ゴーゴーサン乳剤 | 小麦播種後~小麦2葉期 (雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで) |
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| ボクサー(乳剤) | 秋播き栽培の小麦播種後~小麦4葉期 (雑草発生前~発生始期) |
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| ムギレンジャー乳剤 | 秋播き栽培の小麦播種後出芽前 (雑草発生前) |
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| リベレーターG(粒剤) | 秋播き小麦播種後~小麦2葉期 (雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで) |
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| リベレーターフロアブル | 秋播き小麦播種後~小麦3葉期 (雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで) |
3葉目が見えたら、年内に1回、茎立ち前(3月中旬)までに2週間程度間隔をあけて2回、計3回を目標に行います。
農薬の情報は令和7年9月10日時点です。農薬を使用の際は必ずラベル等の表示を確認し、飛散防止の対策等適切に使用しましょう。また、農薬を使用したら使用記録簿を付けましょう。
埼玉県川越農林振興センター
農業支援部
TEL:049-242-1804