JAいるま野広報 2017年3月号 No.251
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営農情報ハト胸状態のモミ 今年も水稲の育苗が始まる時期が近づいてきました。 古くから「苗半作」と言われるように、苗の良し悪しはその後の生育に大きく影響します。 実り多き秋を迎えるためにも、基本技術の励行を心がけましょう。1 床土の準備【床土】農協等で「育苗培土」を購入する場合はそのまま使用しましょう。自分で床土を作る場合は、畑の土は使用せず、前作で病気の発生がなかった水田の土を使用しましょう。【育苗箱】育苗箱や保温資材は洗浄・消毒しましょう。特に、前作で立枯病等の病気が発生した場合は、必ず消毒しましょう。2 種もみの準備 品種特性の発揮や高品質米生産のため、種子更新は必ず行いましょう。【塩水選】水18ℓに対して、食塩をうるち4・5㎏、もち3㎏加え、塩水選を行いましょう。塩水選後は、必ず水洗いして塩水を落としましょう。【種子消毒】温湯、もしくは薬剤で種子消毒を行います。薬剤消毒の場合は、水温10℃以上で行いましょう。【浸種】発芽しやすくするために種モミを水に浸けます。浸ける期間は、積算温度(水温×日数)で決まり、コシヒカリは積算温度120℃(例:15℃×8日)、彩のきずなを含むその他の品種は積算温度100℃(例:15℃×7日)で行いましょう。【芽出し】発芽を揃えるため、ハト胸状態まで芽出しを行います。温度28~30℃で15~20時間が目安です。3 種まき 健苗育成のため、芽出しモミで100g位と薄まきを心がけましょう。また、種まき後は保温資材を活用して発芽を促進しましょう。4 育苗中の管理 育苗期間中は、水管理と温度管理が重要です。(1)水管理 水やりは、朝~午前中に1回が基本です。過度な潅水は徒長、根張り不足、温度低下の原因になります。(2)温度管理 35℃以上、10℃以下は避け、次の適温を心がけましょう。温度が高すぎても、低すぎても生育不良や病害の発生を招きます。【種まき後2~3日頃】 出芽までの期間 適温 30℃【種まき後4~7日頃】 出芽後の光に慣らす期間 適温 昼20~25℃ 夜15~20℃水稲の育苗管理について【種まき後8日頃~田植前】 外気に慣らす期間 適温 昼20~25℃ 夜10~15℃5 苗の調子が悪くなったら 農協、農林振興センター等関係機関に早めにお問合わせください。様子を見てからでは手遅れになることもあります。6 田植え 草丈20㎝程度、葉が3枚半~4枚半になったら田植えをしましょう。 病害虫防除のため、田植え時に箱施用剤を活用します。「コシヒカリ」はウンカ類、「彩のきずな」は紋枯病に登録があるものを選びましょう。川越農林振興センター 技術普及担当 049(242)180408「いるま野」2017年 3月号

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