JAいるま野 広報誌 2025.12|No.354
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酷暑が過ぎ去り、草花も秋の装いを見せ始める中、所沢市で仲間と共に農業に励むのは、若手農業者で今回の主人公、佐藤勇介さんです。現在は就農して9年目。農業法人「所沢ゼロファーム」を営み、年間約40㌶の面積でエダマメやネギ、ニンジンなど季節野菜9品目を栽培しています。栽培した農作物はJAの共販出荷や量販店の集荷施設、仲卸などに納められ、全国の消費者のもとに届けられています。元々農業とは縁遠いサラリーマン家庭で育ったという佐藤さん。社会科の教師を目指して大学に進学しましたが、就職氷河期時代で就活に悩む知人を見たことで卒業後にそのまま教師になることに疑問を抱き、大学を休学しバックパッカーとして2年間アジア各国や様々な地域を巡ったといいます。その過程の中で途上国での食の実情について目の当たりにしたこと、そして復学後に実家が農家の中学時代の同級生のもとでアルバイトをして「青空の下で農業をするのは楽しい!」と農業の魅力に気付いたことで就農を決意しました。大学卒業後、本格的に農家への道を歩むべく農業大学校に入学した佐藤さん。1年間のコースを受け、その後は農家資格を得るべくJAや行政などによる新規就農支援事業「いるま地域明日の農業担い手育成塾」に入塾し、指導農家のもとで2年間研修を受けました。研修当時の思い出を振り返ってみると様々な苦労があったと話します。「研修といっても土地を借りて自分自身で栽培を行うので、実質独立しているようなものでした。当時心掛けていたことは『自分から積極的に関わりを持つこと』です。指導農家の方もJAも自分からヤル気をもって接していけば、熱意が伝わり必ずそれに応えてくれます。他にも農業塾からの助成金など使えるものは何でも使っていく。当時は本当にがむしゃらでしたね」。「また、指導農家の方と関係性を構築し、エダマメの脱だっ莢きょ機うきや管理機などの農機を譲り受けることがで歩み始めた第一歩農業塾で大切なのは「関わりを持つこと」非農家家庭から農業の道へきっかけはバックパッカーとアルバイト卒業生の今 を辿るいるま地域明日の農業担い手育成塾の04「いるま野」2025.12     平成27年度卒業所沢市佐藤 勇介さん(36歳)生まれ育った所沢市でゼロからのスタート、日々の仕事に全力で取り組む若手農業者

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