からもこの状態で生きていることは奇跡に近いと言われました。両親にも心配をかけたので、恩返しの為にも地元である埼玉で仕事をしようと決めました」と振り返ります。その後、独立のため2020年に農業大学校へ通い、2022年にいるま地域明日の農業担い手育成塾に入塾します。そこで寺田さんにとって大きな転機となる、指導農業士の山口由美さんとの出会いがありました。山口さんは越生町の梅農家。梅と言えば「受粉」が重要になってきますが、その受粉を助長するのがまさに「ミツバチ」です。二人はすぐに意気投合し、寺田さんは山口さんの元で修業することに。そんな寺田さんに塾生時代のエピソードを伺うと…。「いるま地域明日の農業担い手育成塾では、山口さんに大変お世話になりました。ミツバチが梅にとって非常に大きな存在であることや、梅の栽培管理などを教えてもらうことで、どのタイミングでミツバチを必要とするのか・巣箱を設置するのかなどを教わることができました」といるま地域明日の農業担い手育成塾で、人生に大きな転機をもたらす出会いをした寺田さん。今後の展望を伺うと…。「自然豊かな越生町の強みを最大限に活かすため、花の種類や季節による味わいの変化を楽しむことができるよう、無添加・無加工にこだわったはちみつを作っています。ありがたいことに、2025年8月にはふるさと納税の返礼品として採用していただいたり、「第44回埼玉県はちみつ品評会」において単花部門で最高位の名誉賞を受賞することが出来ました。これからは、仲間と切磋琢磨し合い、ベテラン農家の方の技術をより吸収して成長し続けながら、越生町の梅と、梅の大切なパートナーであるミツバチのはちみつも越生で採れることを広く伝えるべく、『ミツバチの力で地域を元気に』をモットーに情報発信をしていきます!」そう意気込む寺田さんの笑顔は輝いていました。いるま地域明日の農業担い手育成塾とは…?語ります。「他には入塾したことで作業日誌を書く習慣が身に付きました。そのお陰で、年間の流れが掴みやすくなり、作業スケジュールを効率的に立てられるようになりましたし、農家同士の交流も増え、今でも相談や世間話をする仲間もできたので良かったです」と話します。両親の近くで働きたいと思い、埼玉県での活動を決めた寺田さん。拠点を越生町に決めたきっかけとは…。「越生町で養蜂を始めることを決めたのも、山口さんが居たからです。山口さんの梅に対する熱い気持ちや行動力には、心を動かされました。自分もミツバチに対する想いは誰にも負けないくらい強いと自負しているので、山口さんの居る越生町で養蜂ができれば、さらに楽しい活動ができるのではと期待を抱きました」。「今では、私を温かく受け入れてくださった越生町の皆さんに恩返しをする気持ちで、一生懸命ミツバチたちと活動しています」と笑顔をみせます。県南西部の13市町とJAが連携して開設している新規就農希望者への支援制度のこと。農業の自立経営を目指す方に対して、研修農場での実践研修を通し、就農にあたっての知識や技術、経営感覚を養い、円滑かつ安定的な農業経営に結びつけることを目的としています。市町村やJAなど関係機関が一体となって就農までのサポートを行います。人生に訪れた転機入塾先で出会った指導農業士若手農家として地域を盛り上げるためこだわりの越生産はちみつを全国へ「いるま野」2025.12 巣箱内の状態を確認。寺田さんは素手で作業を行うので、ミツバチたちに与える振動を最小限に抑えています。太陽の光に照らされキラキラと輝くはちみつ。「山桜」「百花蜜」「あかしあ」「ゆず」「山栗」の5種類。寺田養蜂園のオンラインショップやJAいるま野越生農産物直売所などでご用意しています。梅の花の受粉をお手伝い。よく見ると足に黄色い花粉団子が!03寺田養蜂園のサイトはコチラ!
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