潅かんい水す設備や、品質向上の為の雨避け設備を導入して坂戸市小沼――農業をする中で大変だったエピソードを教えてください。鳥獣や病害虫による被害や、ブドウの色付きが上手くいかなかったことです。野生の動物や天候によって収量が左右されてしまうので、農業の大変さを痛感した瞬間でしたね。それでも自分が果樹を始めるきっかけにもなった「おいしい!」という感動を多くの方に届けるためにも、日々より良い方法を模索しながら農業に励んでいます。現在は、省力化の為のロボット草刈り機及び自動います。今後は加温設備と高温対策の為の遮熱カーテンの導入を予定しており、収量増を目指したいです。また、梨の定植や色々な品種の栽培、育種にも挑戦したいと考えており、これからも良質な果樹の栽培を目指して探求し続けたいです。――就農から現在までの状況をお聞かせください。現在、観光農園「三芳野フルーツファーム」を営んでおり、約90㌃にブドウやキウイを栽培している他、養蜂も行っています。収穫した農産物はJA坂戸農産物直売所や量販店などに出荷しています。父親を早々に亡くした事で、代々継承されてきた実家の農地の活用を考えるようになりました。そんな時に親戚のブドウ園のシャインマスカットに出会ったことで、自分でも作ってみたいと思い就農を決意しました。2019年3月に一般企業を辞め、4月からは農業大学校に通い必要な知識を蓄えました。その間、JA西部果樹部会のベテラン農家さんを筆頭に多くの方にお世話になり、果樹を育てる基礎知識を一から丁寧に教えていただきました。ここまで来られたのは皆さんの支えがあったからこそだなと、心から感謝しています。「おいしい!」を届けたい。探求心を忘れずに日々模索しながら農業に励む若手農家髙橋佑輔さんせんてい「いるま野」2025.9 06生育状況を確認中。色付きも良好で収穫が楽しみです。ブドウの剪定作業を行う髙橋さん。
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