JAいるま野 広報誌 2025.08|No.350
6/20

――農業をする中で嬉しかったエピソードを教えてください。最近の嬉しかったことは、地元の大学生がマコモタケの株分けや植え付けの作業を手伝ってくれたことです。農業従事者は高齢化が進み、力仕事を続けていくのは大変です。そこで、未来を担う若者が農業に興味を持ってくれたことや、一緒に汗を流しながら現場で作業をしてくれたことが本当に嬉しかったです。学生からは「実際に現場で作業をしたことで、農家さんの大変さがよく分かった。少しでも役に立てるよう頑張りたい」との言葉をいただき、「私も頑張ろう」という元気を貰えました。今後も地域農業を守るために、若い力も借りながら一緒になって農業を続けていけたらなと思います。そのために私はおいしい農産物作りに精を出し、その農産物を食べた人たちが笑顔になれるよう、楽しさを忘れず、愛を持って今日も農業に励みます。――就農から現在までの状況をお聞かせください。現在は、知人やその仲間から遊休農地を借りて有効活用し、約80㌃の面積で田畑を耕作しています。水田では黒米やマコモタケ、畑ではトウモロコシやカボチャなどの季節野菜を約20品種栽培しており、収穫した農産物はJA飯能農産物直売所やあぐれっしゅ日高中央などに出荷しています。水田に興味があり、たまたま新聞に掲載のあった秩父郡横瀬町の棚田での研修募集の記事を発見し、一年間、水田の一連の作業を経験しました。そこで初めて黒米の存在を知り、健康にも良いので就農当初から作付けし、今では多くの方から好評をいただいています。また、知人の農家からマコモタケの株を譲り受けたことで栽培を始め、主力品種になるほど力を入れています。地域農業を守るために、農業の楽しさ・やりがいを若い世代へ伝えていく周りを巻き込んだ農業を守田尚五さん飯能市川寺マコモタケは成長すると背丈が2メートル以上に。手入れも一苦労です。真剣な表情で黒米の田植えをする守田さん。06「いるま野」2025.8     55歳の時に教員を早期退職し、就農して約17年。

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る