夏の陽気を思わせる5月下旬、狭山市上赤坂の圃ほじう場ょで汗をぬぐいながら作業に励むのは、今回の主役、吉田明美さんです。現在は家族とともに約1㌶の面積で、ホウレンソウやサトイモ、コマツナをはじめ、ナスや切り花など年間約20品目の季節野菜などを栽培しています。栽培した農作物はJA農産物直売所「あぐれっしゅげんき村」に出荷され、人気を博しています。「家族で農業に励んでおり、夫は共販出荷、私は直売所への出荷を担当しています。直売所では育てた農産物が直接、消費者に手に届くので、特に『新鮮さ』と『味』を重要視しています。私たちが収穫した農作物で皆さんが笑顔になってくれたら嬉しいですね!」そう話す吉田さんからは、農業への情熱と消費者への想いが伝わってきます。農家の家系で育ち、就農して約30年だという吉田さん。そんな吉田さんが本格的に農業に取り組むことになったきっかけを伺うと、そこには家族や農家仲間との絆がありました。県立川越農業高校(現川越総合高等学校)を卒業後、一度は一般企業に就職した吉田さん。しかし、20歳のときに家族が病になったことをきっかけに、家に入り本格的に農業に取り組む決意を固めたと言います。「3人きょうだいの長女として生まれ、後継ぎだった弟は当時まだ学生でした。なので『私がやるしかない!』という想いを胸に農業を始めたことは今でも覚えています。幼い頃から両親の農作業を手伝っていたことや高校で農業を学んでいたこともあり、基礎知識はありましたが、 改めて父から肥料のことや土づくり、そして種まきから収穫までの一連の工程を教えてもらい、親子二人三脚で農家への道を歩み始めました」。ぎ、そこでは世界農業遺産に認定された「武蔵野の落ち葉堆肥農法」に触れ、落ち葉掃きや堆肥の作り方な今日も輝く女性農家就農への想いそして出会う新たな仲間農業を始めて約30年良質な農産物づくりに励むベテラン農家0425歳のときに現在の吉田家に嫁狭山市 上赤坂「いるま野」2025.7 吉田 明美さん(58歳)あふ笑顔が溢れる女性農家、仲間と消費者の笑顔のために日々奮闘!
元のページ ../index.html#4