JAいるま野 広報誌 2022.11|No.317
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1 サツマイモ基腐病とは⑴原因・病気の広がり方⑵症状2 対策平成30年秋、九州地方で初めて発病が確認された「サツマイモ基腐病」は、収量減少を引き起こし、農業経営に深刻な影響を与える病気です。県内では家庭菜園で発生が確認されましたが、その後、発生の拡大は見られていません。次の事項のとおり、本病への理解と対策に努め、病気の持ち込みを防ぎましょう。病原菌はヒルガオ科の植物(主にさつまいも)にのみ感染するカビの一種であり、感染した苗を植え付けることで畑に持ち込まれます。病変部に大量の胞子を形成して、風雨や水はねで周辺に広がります。収穫後も病原菌は土壌の残渣の中で生き残り、翌年の伝染源になります。畑での最初の発症は、定植1か月後から見られます。病原菌に感染した株は、感染の初期に茎の地際部が黒~暗褐色に変色し、生育不良となります(写真1)。茎葉は黄色や紫色となってしおれ、さらに症状が進むと枯死します(写真2)。また、地下部の塊根にも病徴が進行し、塊根の腐敗が生じます。病原菌が感染した塊根は、品種を問わずほぼ同じ病徴を示し、なり首側から褐色~暗褐色に変色・腐敗します(写真3)。感染した塊根は、収穫時に症状がない場合でも貯蔵中に発症し、収穫したいも同士の接触によっても感染することから、腐敗拡大の原因となります。苗からの病気の持ち込みを防ぐため、ウイルスフリー苗を利用し、苗消毒を行いましょう。また、貯蔵いもに異常がないか、月1回程度確認しましょう。サツマイモ基腐病が疑われる症状を見かけた場合は、農林振興センター(049ー242ー1804)までご連絡ください。(写真出典「生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業(01020C)令和3年度版マニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」より」)07           【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804写真2 葉が赤紫、黄色に変色した生育不良の株写真3 なり首側から変色した塊根写真1 地際部の黒変サツマイモ基腐病について

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