JAいるま野 広報誌 2022.6|No.312
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生産資材の値上がりや農産物販売価格の低迷により、経営者としては大変ご苦労されていることと思います。しかし、この傾向は農業だけでなく、あらゆる産業で起こっていることでもあります。農業経営の課題の解決に向けては、農業経営の現状を把握し、問題点を明らかにして、出来ることから経営の効率化や改善の取組みを進め、事業利益確保に努めることが重要です。農業の悪い慣習として言われてきた言葉に「どんぶり勘定」があります。家族の労働力や家計、その他の事業で得られた収入などが、農業資金と混同されやすく、結果として資金繰りが自分で分からなくなっている状態を指しています。利益を考える上では、経営状況の② ①l   ▶   ▶▶ ▶ す   把握・分析が不可欠であり、過去の決算書類も参考にして各データーについて比較検討し、経営の面積、生産量、売上額や経費額の推移などを調べ、どこに経営上の無駄や問題点があるかを明らかにすることが有効です。この分析の結果を踏まえ、経費の節減や効率化、あるいは生産技術の改善など、経営改善に向けて取り組むことができる点から具体的な行動を始めることが、変化する時代に適応して経営を継続する上でとても重要なことになります。経営者が仕事(事業活動)において、計画を立て実行することは当たり前ですが、計画を実行しながら改善を続けていく手法をPDCAサイクルと言います。具体的には次の4つの手順で、1回のサイクルを回していきます。から計画を作成に沿って実行Do(実施・実行):実際に計画③ Check(点検・評価):実施が計④ Act(処置・改善):実施が計画画通りかを確認に沿っていない部分を調べ、見直※このサイクルを循環させます!「計画して実行」で終わりにするのではなく、計画通りに実行されたかを確認し、問題があれば見直します。常に軌道修正を行いながら、次のサイクルの計画に反映して、再び実行へとつなげていきましょう。このサイクルを循環させ続けることで、さらなる業務効率の改善や生産物の品質向上が望めます。「継続は力なり」と言う諺がありますが、らせん階段を一段一段、上に登って上昇していくイメージの取り組み手法です。今まで、経営者として経営の改善に取り組む手法について紹介させていただきましたが、専門的な知識が必要な場面もあるため、JAをはじめとする関係機関からの支援を受けることも検討してください。埼玉県では、意欲がある農業者の方々の経営改善を支援するため、国の事業を活用した農業経営・就農支援センターを設置し、専門的な知識を有する中小企業診断士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、弁理士やデザイナーなどによる経営のアドバイスも行っています。支援を希望される方や詳細について知りたい方は、川越農林振興センター農業支援部までお問い合わせください。〜経営者に求められる手法〜一、経営の現状把握と分析を行う二、効果的な経営改善の手法三、支援機関のサポートも活用を Pan(計画):情報や分析結果等07「いるま野」2022.6❹ Act処置・改善❸ Check点検・評価❶ Plan❷ Do実行計画【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804PDCAサイクルの図利益確保のため経営改善に取り組みましょう!

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