JAいるま野 広報誌 2021.7|No.302
3/20

か、幅広い視点に立った営農相談業務は、私自身の強みと言えるかも知れません。幅広い視点に立った相談業務の強み 5月から6月にかけて、米づくりにおける相談や質問の件数は最も多くなります。例えば、「効果的に除草するためにはどうしたら良いか」「有効分げつ(※1)の確保につなげる具体的な方法を知りたい」などといったものです。生産者にとって田植えを終えたばかりのこの時期は、収量増につなげるための大切な時です。水田の状態や品種によっても対応が異なりますので、生産者からの相談や質問は、一つ一つ丁寧に答えるよう心掛けています。 麦については、タンパク質の含有量の高いものが市場から求められています。市場からの要望にも応えられるよう、生産者会議などを通じて情報提供することも営農推進員の大事な役割のひとつです。産地のために、生産者のために JAいるま野管内は、米や麦の一大産地です。各生産者の個別対応はもちろんですが、時には産地全体を見渡して対応する必要もあります。 中でも、主に後継者を対象に開催している「休日水稲あぜ道講習会」では、県川越農林振興センターとJAが講師を務め、高温障害や病害虫対策などについて説明するとともに、出穂期の判断や穂ほごえ肥の散布量など実例を基に説明します。次世代を担う後継者が、高品質な米を収穫し産地の発展につなげられるよう努めています。また、麦では数年ほど前に病害虫被害の影響で減収した圃ほじょう場がありました。そこで、生産者に対し予防防除の指導をし、翌年には平年並みにまで回復させることができました。 私は、これまでJA職員として、また営農推進員としてさまざまな経験を積んできましたが、生産者から「高品質な農産物が出荷できた」「高値販売ができた」といった連絡をいただくと、いつも安堵感にも似た気持ちに包まれます。営農推進員として最もやりがいを感じる瞬間です。生産者に寄り添い、力になる!かつて抱いた目標に向かって 生産者は毎日農産物に向き合い、懸命に農作業に励んでいます。その姿を見て「もっと生産者に寄り添い、もっと力になりたい」と、いつもパワーをいただいています。これからも生産者に頼りにされる営農推進員昨年就農した新規就農者の田中洋史さん。「毎回資料を使いながら分かりやすく親切に説明してくれる。植木さんはいつも穏やかで、忙しい日でもホッとした気持ちにさせてくれる」と話します。生産者からの相談事は、上司にも報告。あらゆる視点から生産者にフィードバックします。(※1)分げつ=成長により主しゅかん稈(発芽した幼芽が成長した主茎)から発生した茎を分げつと呼ぶ。分げつは、葉の展開と関係して規則的に発生するが、幼穂形成期頃には発生が止まる。また、分げつは充実した穂を出穂する有効分げつと、出穂しないか未熟な穂を出穂する無効分げつに分けることができる。苗の生育状況を確認。病害虫被害などにも素早く気づけるよう頻繁に圃場を巡回しています。03「いるま野」2021.7

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る