JAいるま野 広報誌 2021.4|No.299
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【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804 今年も水稲の育苗が始まる時期になりました。 苗の良し悪しはその年の収量や品質を左右しますので、基本技術の励行を心掛けましょう。1 床土の準備①  床土は、熱処理等により滅菌された「水稲育苗培土」の利用がオススメです。自分で床土を作る場合は、畑の土は使用せず、病気の発生がなかった水田の土を使用しましょう。②  床土は㏗4.5〜5.5が最適です。5.5以上は立枯病が発生しやすくなります。③  育苗箱や保温資材は、事前の洗浄・消毒が重要です。とくに、前作や前々作で立枯病等の発生があった場合は、必ず消毒しましょう。2 種もみの準備①  品種特性を保持するため、種子更新は必ず行いましょう。②  充実した種子を選ぶため、塩水選を行います。水10㍑に対し、うるち米なら2.1㌔、もち米なら1.5㌔の食塩を溶かした液に種もみを入れ、浮いてきたもみを取り除きます。塩水選後は、必ず水洗いを行い、塩分をよく洗い流しましょう。③  種子伝染する病害虫(いもち病、ばか苗等)を防除するため、種子消毒を行います。種子消毒には温湯消毒と薬剤による消毒があり、温湯消毒はJAいるま野で受け付けていますので、事前に実施日時等を確認しておきましょう。④  種もみを一斉に発芽させるため、必要な水分を吸収させる浸種を行いましょう。浸種は水温×日数=100℃(コシヒカリは120℃)が目安で、水温15℃の場合は約7日間となります。なお、水温が10℃以下では、発芽不良等を生じる場合があります。3 種まき①  浸種後は催芽機などで30℃に加温し、はと胸状態(図参照)になるまで芽出しを行います。加温時間は、一晩を目安としましょう。②  苗の種類に合わせ、適量播種と育苗日数による健苗育成を心掛けましょう。稚苗は催芽もみ200〜220㌘を15〜20日前に播種し、中苗は催芽もみ100〜125㌘を25〜35日前に播種します。また、播種後は被覆資材の利用による保温を図り、発芽を促進しましょう。4 育苗中の管理①  育苗期間中のかん水は、床土の表面が乾いた朝〜午前中に1回が基本です。天候条件や土の乾き方に合わせて、育苗初期は1〜3日程度おき、後半は朝と昼に実施し過湿・過乾を避けるようにしましょう。②  温度は、35℃以上の高温や10℃以下の低温を避け、適温を保ちましょう。(表参照)5 田植え①  稚苗は葉齢2.0葉程度で草丈13㌢程度、中苗は葉齢4.0葉程度で草丈15㌢程度が田植えの適期です。②  重要病害虫対策のため、田植え前の箱施用剤散布がオススメです。「彩のきずな」は紋枯病に、「コシヒカリ」はウンカ類に登録のある箱施用剤を使用しましょう。水稲の育苗管理について図 はと胸状態の種もみ時期適 温昼夜播種当日~3日頃まで30℃播種後4日~7日頃まで20~25℃・35℃以上にしない・初期に直射日光に当てない15~20℃・15℃以下にしない播種後8日~田植えまで20~25℃・ 20℃前後で太陽光や外気に当てる10~15℃・ 田植え4~5日前には外気に当てるが、9℃以下は厳禁表 育苗期の温度管理07「いるま野」2021.4

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