JAいるま野 広報誌 2020.12|No.295
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 平成9年頃、管内でホウレンソウケナガコナダニ(写真1 以後コナダニと記載)が発生し、当時の図鑑には、「冬から春にかけて施設栽培で発生し」と記載されており、発生には湿度の高い条件が必要と考えられていました。そして、被害は北海道の一部に局限されているとされており、関東でかつ露地栽培での発生は、珍しいものでした。 また、「未熟有機物は施用しない」と記載されていましたが、未熟有機物を施用していても発生しない圃ほじょう場の方が多く、発生原因の見当もつかない状態でした。1 発生圃場の徹底調査 当時の県園芸試験場と、発生圃場や堆肥など、発生原因特定のために現地調査を開始しました。12月頃、発生圃場内から黒くなった米ぬかの塊を見つけ、顕微鏡で確認すると、わずか2㌢位の小石大の塊から10頭近くのコナダニを見つけることができ、ようやく発生原因の特定に至りました。2  コナダニの爆発的繁殖力 その採取したコナダニを米ぬかで満たした500㏄位の容器に入れ放育すると、数頭のコナダニは、わずか1カ月で容器からあふれでるほど増え、爆発的繁殖力を示しました。冬まきホウレンソウがわずかの期間で全面被害になるのは、この繁殖力によるものと思われます。3 コナダニの発生時期と被害 コナダニは、11月頃から被害が発生し始め、3月頃まで続きます。湿度に関係なく無マルチ栽培でも発生します。被害の特徴は、新芽に寄生して葉を縮れさせます(写真2)。主に小トンネル栽培で発生するため、初発に気付かずに被害が拡大しやすくなります。4 コナダニの防除 被害を確認してからでは、手遅れになりやすいので、過去に被害のあった圃場は、下の表の登録農薬を参考にし、予防として粒剤を処理するか、2葉期〜6葉期までに薬剤散布を行いましょう。5 発生源になる有機物は要注意 コナダニは、米ぬかのほか、もみ殻や稲わらを好みます。それらの有機物を施用する場合は、ホウレンソウを栽培するまでに、十分な期間を空けることが必要です。また、米ぬかは小さな塊でも発生源になりますので、細かくしてから施用しましょう。【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804ホウレンソウケナガコナダニの防除について写真2 新葉の被害写真1 寄生するコナダニ表 ホウレンソウケナガコナダニ登録農薬 令和2年10月14日現在農薬名希釈倍率使用方法使用時期使用回数フォース粒剤9㌔㌘/10㌃全面土壌混和播種前1回エルサン乳剤1,000~2,000倍散布収穫21日前まで1回スミチオン乳剤2,000倍散布収穫21日前まで2回カスケード乳剤4,000倍散布収穫3日前まで3回コテツフロアブル4,000~6,000倍散布2葉期まで(収穫14日前まで)1回アファーム乳剤2,000倍散布収穫3日前まで2回モスピランベイト3~6㌔㌘/10㌃土壌表面散布生育初期(収穫14日前まで)2回07「いるま野」2020.12

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