JAいるま野 広報誌 2020.11 | No.294
7/20

 近年は極端な天候の変化により、作柄が不安定になりやすくなっています。基本技術を励行し、品質確保や収量向上を目指した小麦栽培に努めましょう。1 圃ほじょう場準備 ⑴ 耕うん・整地   深さ15㌢を目標にロータリー耕を行いましょう。砕土・整地が粗いと発芽・苗立ちが低下し、除草剤の効果が低くなるので、細かく丁寧に行います。 ⑵ 排水対策   水田圃場では、湿害による生育不良が発生しやすくなります。圃場の周囲および圃場内に5〜10㍍間隔で明めいきょ渠(排水溝)を設置しましょう。排水溝は圃場外の排水路につなぎ、圃場の乾燥を進めます。 ⑶ 土壌改良資材・元肥   小麦は酸性に弱い(適正㏗6.0〜7.5)ので、耕起前に土壌㏗の測定を行い、石灰質資材を施用し小麦の生育に好適な環境に近付けましょう。元肥は品種により施肥量が異なるので、右の表を参考にしてください。2 播種   種子は毎年更新し、種子伝染性病害を防除するため、必ず種子消毒を行いましょう。 ⑴ 時期  11月中〜下旬 ⑵ 播種量(10㌃あたり)  さとのそら  5〜7㌔㌘  ハナマンテン 5〜6㌔㌘ 種子消毒(乾燥種子10㌔㌘に対し、ベンレートTコート50㌘を粉衣)を行います。 ⑶ 播種深度   深播きは初期分げつの抑制など生育に著しく悪影響を与え、浅播きは弱小分げつの形態となり有効茎になりにくくなります。深度は2〜3㌢を厳守しましょう。3 雑草防除 播種後、直ちに土壌処理剤を散布しましょう。 ⑴  丁寧に砕土を行う。播種後軽く鎮圧し、なるべく均平にする。 ⑵ 雑草発生前に薬剤散布する。 ⑶  土壌が乾燥している場合、液剤では、薬量はそのままで希釈水量を多めにする。 ⑷  粒剤の場合、土壌がやや湿り気のある時に散布すると良い。4 麦踏み 3葉目が見えたら、年内に1回、その後茎立ち前(3月中旬)までに2週間程度間隔を空けて2回、合計3回を目標に行いましょう。5 追肥 元肥が1発肥料でない場合は、上記の表を参考に窒素成分の追肥を行います。6 赤かび病の防除 赤かび病は、かび毒産生の危険があるため必ず防除しましょう。 ⑴ 時期 出穂後7〜10日(開花期) ⑵ 薬剤 トップジンM水和剤    1,000〜1,500倍液を10㌃あたり150㍑散布7 収穫 粒の緑色が抜けて、粒に爪痕がわずかに付く硬さになり、穂が湾曲し始めた頃が収穫適期です。適期を逃さずに収穫しましょう。【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804小麦の栽培管理 令和2年9月1日現在の農薬登録内容で作成。農薬を使用する際には、必ずラベルを確認しましょう。農薬の飛散防止に努め、農薬の使用記録簿を付けましょう。 表 施肥基準(成分量)(単位:㌔㌘/10㌃)品種名元肥追肥(硫安または尿素)NPKNさとのそら6664ハナマンテン5554~6(1回目 2)(2回目 2~4)07「いるま野」2020.11除草剤を効かせるポイント

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る