JAいるま野 広報誌 2020.11 | No.294
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夫婦は担当制 富士見市東大久保地区。辺り一面に広がる水田地帯に、ひと際大きなビニールハウスが目に飛び込んできます。「新井トマトファーム」です。経営するのは新井則幸さん、利江さん夫妻。その名の通りトマトはもちろんのこと、キュウリやナス、レタスといった野菜類、そして水稲も。ハウス栽培だけでも、その広さは20㌃にも及びます。 これほどの規模ですが、夫婦で共に全品目を栽培している訳ではありません。実は、品目ごとに役割が決まっているのです。則幸さんは、主に水稲を担当。JAいるま野南畑米生産組合の組合長を務め、高齢化や後継者不足に悩む周辺地域において水田農業を活性化させようと奮闘しています。 そして、ハウス栽培全般を担当するのが今回の主人公、利江さんです。もともとは保育士だった利江さん。結婚を機に就農し、今年で43年目を迎えたベテラン農家女子です。「嫁いだ頃、周辺では梨を中心にたくさんの農産物が栽培されていたが、宅地化が進み景色はだいぶ変わってしまった」と振り返ります。かつての農風景の変わり様に、寂しさは隠しきれません。トマトに感謝と願いを 朝7時半。利江さんの姿は、ビニールハウスにありました。パート従業員よりも一足先に出・・勤し、一玉一玉トマトの状態を確認することから1日が始まります。「美味しく育ってほしい」と願いを込めるとともに、収穫時には「トマトへの感謝を忘れない」と話します。 トマト栽培は2007年からスタート。もともとはミツバを主に栽培していましたが、設備をそのまま利用し栽培野菜の転換を図りました。特徴は何といっても水耕栽培。養分の入った水溶液を施設内のベッドに循環させ、根を張らせることで成長を促す栽培方法です。汚れが少ないなど利点も多く、クセのない柔らかなトマトに成長します。伸びた茎を絡める作業。「美味しくな~れ」と心を込めます。栽培、加工、そして未来。自らを捧げる農業愛富士見市 東大久保新井 利江さん (67歳)パート2パート204「いるま野」2020.11

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