JAいるま野広報6・7月号
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合併――その背景とこれから 近年、日本茶(リーフ茶)の消費動向は大きく変化しています。消費者の嗜しこう好やライフスタイルが変化し、ペットボトル飲料としての緑茶が広く流通するようになりました。しかしその反面、一世帯当たりの消費量は、年々減少傾向を辿っています。 そこで、こうした状況に歯止めをかけようと今年4月1日、JAいるま野はJA狭山茶業と合併しました。JA狭山茶業は製茶や卸売りを行っていた茶の専門農協。茶農家から仕入れた荒茶を仕上げ加工し、JA系統や卸売業者、一般顧客向けに販売してきました。(「JA狭山茶業のあゆみ」は7ページ参照) 今後、JAいるま野では合併を機に、JA狭山茶業が長年培ってきた強みとノウハウを活かして新たな「JA狭山茶ブランド」を構築していきます。産地の振興と茶農家の経営安定を目指すべく、茶農家との連携をこれまで以上に強化して共存共栄を図り、全国に向け組織力を活かしたPR活動に取り組んでいきます。 そして、その最たる柱・となるものが、新たに取り組んでいく「狭山茶」の委託加工事業です。「自園・自製・自販」を支える仕上げ加工技術 委託加工事業では、茶農家から預かった荒茶を茶農家の味・に合わせて加工し製品として仕上げていきます。荒茶は形が不揃いで水分量も多く、そのままでは製品としての価値を維持できません。そのため、荒茶をさらに乾燥させ粉や茎などを取り除き、形を整え調整配合することで、消費者や茶農家ごとの嗜好に合わせた製品になるよう仕上げていくのです。 しかし、仕上げ加工技術はそう簡単に出来るものではありません。長年の経験はもちろん、高度な技術を要します。JAいるま野では、10年以上の経験を持つベテランスタッフと最新鋭の機器を揃え、茶農家の「自園・自製・自販」をサポートしていきます。(詳細は6ページ参照)長年に渡り「狭山茶」の発展に貢献してきた若山通男職員㊨。後継者の指導にもあたります。JA入曽支店すぐそば。茶農家とJAの新たな懸け橋となる「JAいるま野狭山茶センター」の入曽茶工場。新たな歴史がここから始まります。(※)「自園・自製・自販」:各茶園が自ら栽培し、自ら製造し、自ら販売すること。茶産地としては珍しい経営スタイル。消費者の声を茶園管理から製造工程で直接活かすことができるため、同じ「狭山茶」でも店舗ごとで違った味わいを楽しむことができる。仕上げ加工歴16年井上 彬仕上げ加工歴12年石森 宏昌営農経済部 購買課 狭山茶センター(入曽)伝統ある「狭山茶」に携わりたいと茶の世界へ。「毎日が勉強。しっかりと経験を積み、この道を究めたい」と飽くなき探求心の持ち主。ほうじ茶加工のスペシャリスト。「火入れ作業は、味を決める重要な仕事。委託加工は個々で求められるものが全く違うので、ミスは許されない」と話す。入間市出身。茶農家からの信頼も厚い。仕上げの達人 私たちがお手伝いします05「いるま野」2020.6・7

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