JAいるま野 広報誌 2019.6|No.278
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将来の夢は農・・業 5時半すぎ。農家の朝は早い。3連棟のハウスが2棟立ち並ぶ広大な圃場では、トマトの収穫に勤しむ姿が。就農して30年、9代目の秀明さんです。 「職業として意識し始めたのは、高校を卒業するあたりから。本気でやるなら兼業ではムリ」 卒業アルバムには「将来の夢は農・・業」と記されています。父、博行さんの背中を見て育った秀明さんにとっては自然の成り行きでした。 ポリシーは「労力は惜しまないこと」。日々、ハウスや田んぼの状態を確認し、農機具のメンテナンスも欠かしません。倉庫もキレイに整理されています。その姿勢はまさに父親譲り。「気持ちはいつも1年生。同じものを育てていても毎年違うから。でも、成育具合を見るポイントや天候の読みなど、まだまだ父にはかなわない」と尊敬の念を忘れません。 一方、父の博行さんは秀明さんをこう評します。 「腹が据わっており、黙々と作物と向き合っている。とても心強い」就農3年目。次世代のホープ そして、田口家にはもうひとりの農業者が活躍しています。次世代を担うホープ、10代目の諒太さんです。トマトが旬を迎えるこの季節、直売所への搬入は諒太さんの役目。この日もJA直売所「あぐれっしゅ川越」に、明るく元気な声が響き渡ります。 田口家は現在、トマトのほか水稲1.5㌶分とコマツナやトウモロコシなど延べ1㌶分を栽培。秀明さんによると息子、諒太さんが就農してから規模や販路も拡大しているとのこと。「目標は知識の祖父と、体力の父。2人が培ってきたものを受け継ぎ、新しいことにもチャレンジしていきたい」と諒太さんは意欲を見せます。未来へ続くレールは果てしなく 川越市芳野地区は、JA管内でも有数の米どころ。田口家では水稲の育苗準備に励んでいました。すると秀明さんは、種籾を敷き詰めたトレイを1枚ずつ丁寧に運びながら呟きます。 「種から苗を育て収穫して、その先には笑顔の溢れる食卓がある。いつまでも続けていかないとね…」 すると、博行さんがまっすぐに前を見つめ、こう付け加えます。 「親世代は、次世代に向け環境を作ってあげることが責務。環境が整えば、跡継ぎや就農者も増えるだろう」 先代から受け継いだ農業のバトン。過去から現在、そして未来へ…。作業場から圃場まで繫がれたレールの先は、果てしなく続きます。トマトの栽培管理はとても細やか。栽培技術も確実に受け継がれています。秀明さんの母、光子さん(写真奥)も作業を手伝います。トマトをより美味しくする、光子さんのオリジナルドレッシング(※下記参照)は、トマト農家ならでは。開店前の「あぐれっしゅ川越」。採れたてのトマトを丁寧に並べます。 レ シ ピ新タマネギをみじん切りにし、オリーブオイル、しょうゆ、酢、砂糖、コショウ、化学調味料を適量で混ぜ合わせ、トマトにかけて召し上がれ!03「いるま野」2019.6

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