JAいるま野 広報誌 2019.4 | No.276
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―「仲卸」とは本来、どういったものですか?その中で貴社の特色は?島田次長… 仲卸とは本来、「卸売市場での競せりなどを通じて農産物を仕入れ、量販店などに小分けして販売する」役割を担っています。その中で当社は「新鮮で美味しく最後まで食べ切れる流通販売」という理念のもと、「顧客の要望などを踏まえた上で品物を見極める」ことも大切な役割であると考えています。そのため産地に直接出向き、産地と量販店を繋げるべく消費者の声をダイレクトに産地へお届けできるよう取り組んでいます。産地と良好な関係を築くことで、消費者からの「美味しかった」に繫がると考えています。―仕入れの際に品物を見極める「ポイント」は何ですか? どんな産地のどんなものを選べば良いのか――。そのポイントは、何と言っても「強みがあるかどうか」です。野菜や果物の持つみずみずしさや美味しさを楽しんでいただきながら、最後まで食べきっていただくためには、他産地にはない強みが重要です。 例えばホウレンソウの場合、消費者に鮮度の良さをアピールできる束の状態で出荷をして頂いていますが、束はそのまま水に浸けることでより鮮度の高い状態を保つことができます。最近では作業時間を大幅に短縮できるFG(鮮度保持フィルム)出荷が増えていますが、JAいるま野さんは当社の束出荷の要望に生産者と細かい調整をし、しっかりと対応してくれています。こうした生産者と一緒に取り組む姿勢は、まさにJAいるま野さんの「強み」と言えるでしょう。―いるま野産農作物への消費者の「反応」はいかがですか? JAいるま野さんとの取引は、18年ほど前から続いています。市場(横浜丸中青果㈱)からの紹介を機に今ではカブやコマツナ、みず菜なども取引しています。消費者の反応も良好で「サトイモは粘りと甘みがあり、他産地のものとは違うね」とか「埼玉の野菜はキレイ!」といった声が多く聞かれます。その人気は、札幌市を中心に展開するスーパーマーケット「東光ストア」さんで毎年、『いるま野フェア』を開催するほどです。 また、当社ではいるま野産農産物を原料とした加工品の開発や販売も行っています。オリジナルキャラクター「とれ蔵」を使い産地をアピールしたデザインパッケージで販売。調理がし易いと好評で、今後も続けていきたいと考えています。 いるま野産農作物が札幌を中心に北海道にも浸透してきた今、JAいるま野さんをはじめ、管内の生産者にはこれからもこだわりのある農作物、美味しい農作物を北海道の消費者にも供給してもらいたいと思います。創業1972年。40年以上の間、青果物専門商社として東京や北海道、沖縄など全国7カ所に拠点を構える。「お客様が美味しく最後まで食べ切れる商品を流通販売する」を企業ポリシーに、①産地リレー・産地開発、②流通・ベンダー、③加工、④営業・販売、⑤販売促進の5つの事業を強みとする。フィリピンにもグループ会社を設立し、日本および世界15カ国の青果物を東南アジア諸国にも販売している。㈱ワタリ「調理のし易いものを」という声がキッカケで開発された加工品。いるま野産のサトイモは、札幌でも広く知られている。東光ストア豊平店(札幌市豊平区)で開催した“いるま野フェア”のブース。販促物も同社で制作した。加工品03「いるま野」2019.4

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