JAいるま野 広報誌 2019.3 | No.275
7/20

 入間地域のさといもは、ブランド野菜として、市場で高い評価を受けています。 昨年の気象や生育・作柄を振り返ることで、栽培管理を確認し、生産安定と品質向上を目指しましょう。1  平成30年の生育・収量・品質について 振興センターで実施しているさといもの生育調査の結果(狭山市内ほ場、系統:土垂 4月2日定植)と気象概況は次のとおりです。⑴ 生育経過(図1)① 生育初期 4〜5月の降水量は、4月上旬、5月下旬以外は平年並みで、気温が高く推移したため、初期生育は概ね順調でした。② 生育中期 6月下旬に梅雨があけ、親芋肥大期の降雨量は少なくなりました。その後、子芋肥大期の7月上中旬も晴天が続き、高温乾燥で推移しました。7月下旬には、台風の影響で降雨がありましたが、高温乾燥期間が長かったため、7、8月上旬の地上部の生育は平年に比べ劣りました。③ 生育後期 孫芋肥大期にあたる8月以降も平年に比べ気温が高く、台風による降雨があったものの、8月の降水量は少ない傾向にありました。しかし、8月下旬から9月は曇雨天が多く、気温は平年並みで降水量も多くなったため、9月の地上部生育は回復しました。⑵ 収穫量(表1)・品質 親芋・子芋の1個あたりの重量は平年の8割程度と軽くなりました。一方、孫芋・ひ孫芋の重量は平年よりも重く、1株あたりの個数も平年より多くなりました。総合すると、1株当たりの子、孫、ひ孫芋の合計重量は平年と比べて重くなりました。 品質面では、肥大不足で長い芋や小ぶりの芋が多かったため、10月上旬時点では、昨年に比べて規格外が多くなりました。2 ほ場準備に向けて さといもに必要な輪作年数は3〜4年とされていますが、近年、作付間隔が短くなる傾向があります。輪作間隔が短くなると連作障害の発生リスクが増えます。その原因は土壌の化学性の変化、病原菌、線虫のほか、さといもの根や茎葉に含まれる物質による可能性も指摘されています。入間地域のさといもブランドをこれからも長く守っていくため、さといもの作付計画について、もう一度考えてみてください。川越農林振興センター農業支援部 ☎049-242-1804本年のさといも作付けに向けて表1 生育調査ほ 地下部調査結果親いも子いも孫いもひ孫いも合計子+孫+ひ孫重量(g)個数(個)重量(g)1個当たり重量(g)個数(個)重量(g)1個当たり重量(g)個数(個)重量(g)1個当たり重量(g)個数(個)重量(g)平成30年66410.18798720.31769874.42024634.82850平 年812883310417.31274744.51683729.82275平年比82%126%106%84%117%139%118%98%120%123%117%125% 注) 10月10日収穫 調査数10株 数値は「1個当たり重量」以外は1株あたりの平均値6月7月8月9月20015010050022171272草丈(cm)葉齢(枚)草丈(H30)草丈(平年:過去10年)葉齢(H30)葉齢(平年:過去10年)図1 地上部生育(草丈・葉齢)の推移(各月の上旬に調査)07「いるま野」2019.3

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る