JAいるま野 広報誌 2019.2 | No.274
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防霜対策の準備・実施 春整枝以降は晩霜対策をしっかり行いましょう。萌芽前でも実施してください。ファンの作動設定温度は、ほ場で最も冷えると思われる場所で3℃が標準です。 氷水にセンサーを浸けるなど、試運転を必ず行いましょう。ファンは回るか、首は振るかなども必ず確認してください。 センサーの設置位置は樹冠面中央部とします。茶樹の下、株内、うね間などは避けましょう。 センサーの設置はポールなどにしっかり固定し、風で葉に触れないようにします。葉温は気温より更に低くなります。越冬中の被害枝、葉の除去 寒干害により生じた枯死部(枝葉)を除去しておくと、摘採時に混入することなく品質低下を防げます。3月中〜下旬に行うようにしましょう。春肥 春肥施用は2月末から行い、施用後は断根が多くならないように注意しながら、浅めに耕うんして肥料と土壌を混和させます。 春肥の施用量は成木園で10a当たり、窒素18㎏が目安です。肥料の流亡を防ぐために芽出し肥と分施したり、緩効性肥料を利用するのも有効です。速効性の肥料は1回につき10a当たり窒素成分で10㎏を越えないようにし、できるだけ分施を心がけましょう。 機械摘み園の整枝 機械摘み園(成木園)の春整枝は、3月下旬に、前年の秋整枝前の最終摘採・整枝位置から5㎝前後上で行います。整枝時期が早すぎると、寒の戻りなどによりダメージを受け、かえって新芽の生育が遅れ、不ぞろいになります。 春整枝は新芽の品質に大きく影響します。摘採面を平らにし、一番茶の新芽に古葉が混ざらないようにしましょう。2回行うとより効果的です。2回目の整枝は数日空けてから実施します。連続して行う場合は進行方向を逆にして行います。 乗用型摘採機導入茶園では整枝位置が細かく設定できるので、最終的には、どの芽を摘採したいかを優先し整枝位置を決定します。葉数なども判断材料としてください。芽出し肥の施用 施用適期は4月上旬で、速効性の窒素肥料を用います。(硫安、燐硝安加里など) 芽出し肥はあくまで春肥の一部なので、春肥との合計が窒素10a当たり18㎏となるようにします。肥効を高めるため、ほ場に十分な水分がある時に施用し、軽く耕うんしましょう。病害虫防除(1)カンザワハダニ 越冬直後の3月中旬から薬剤防除を行うと効果的です。 茶園を観察し、20%の葉裏に寄生していたら防除します。目安として20枚の葉をみて4枚以上にダニがいたら防除します。いなければ防除の必要はありません。様子を見ながら行いましょう。(2)クワシロカイガラムシ プルートMCは3月末までに散布しましょう。散布は茶樹の枝・幹にしっかりかかるように丁寧に行います。プルートMCが散布できない地域ではマシン油乳剤で防除します。2、3月で2回散布すると効果が高まります。クワシロカイガラムシによる枯れこみが多くみられる場合は深刈り更新や台切り更新をして、5月下旬に薬剤防除をすると効果的です。茶業研究所農業革新支援担当 ☎04-2936-1351春の茶園管理について07「いるま野」2019.2

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