JAいるま野 広報誌 2019.1 | No.273
6/20

 西吾野の旧北川小学校を通り過ぎ、さらに奥に進むと岩井沢地区という集落に行き着きます。金子さん、原さんが管理する圃場は車で行く道路からは見えません。金子さんの話では「車で畑までは無理だよ…」とのこと。断念してさらに奥に車を止め山道を歩いて向かうことにしました。 標高約500m。江戸時代に開墾されたらしい南向きの広々とした一帯は、傾斜地も合わせると1町歩近くあるのではないかと思わせるほど。集落の道路からは想像もつかない別世界でした。 「今は5軒程だけど、昔はこの高台で10軒程が農業をやっていた。うちでも一番作っていた頃は3反位やっていたなあ」と政三さん。金子さん夫婦と原さんが管理する畑は電気柵でしっかり管理されており、主にジャガイモ、ハクサイ、ネギ、その他にもサトイモ、エンドウマメやスイカなども作ります。 「採れたもので自分たちが食べる分は1割。あとの9割は親戚や知り合いにダンボールで送ってあげるんだ。この時期ジャガイモやハクサイなんかは重くてさ、12月は送料だけで2万円くらいになっちゃう。でもみんな喜んでくれるから楽しいよ」と政三さんは笑います。 政三さんは70歳まで勤めをされていたので、それまでは奥さんの和子さん、原光子さん、10数年前に亡くなられた光子さんのご主人で耕作していたそうです。 「光子さんのご主人には農業のことを良く教えてもらったよ。『そろそろ間引くようだぞ』なんて調子でさ」と、懐かしそうに語る金子さん夫婦。 光子さんも若い頃は畑作業があまり好きではなかったと笑います。「でも、今では楽しんでやっているの。何年か前に体調を崩した時期があって、もう畑も止めようって思ったんだけど、金子さん夫婦に『健康のためにも一緒に続けよう』って励まされて…」 お互いに教えあい、励まし合ってこれからも仲良く続けて行きたいと三人は語ってくれました。飯能市 北川金子 政三さん(82歳)真中 和子さん(78歳) 右原 光子さん(80歳) 左採れたものは親戚や知人にほとんど送っているとのこと。高所で作るためハクサイも甘みが増して美味しいと評判だ。※今号の表紙の写真は金子さん、枽原さんの圃場で撮影されたものです。圃場の獣害対策は10年以上前から万全。以前は朝・昼・晩とサルにやられ、ジャガイモを2/3以上やられたこともあったと言う。06「いるま野」2019.1

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る