JAいるま野 広報誌 2018.12 | No.272
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 1 はじめに 今年は、かきが豊作です。毎年、かきやゆずの果実を収穫しないで放任している光景を見かけます。果実を収穫しないでいると、鳥や獣のえさとなり、それらを増加させる原因になるほか、樹に負担が掛かり、次年の花数を少なくし、着果を悪くします。 2 収穫できる果実は収穫しよう せん定作業を行う前に、収穫できる果実をできるだけ早く収穫します。過熟で食べられない果実は、地面の上に放置しないで、穴を掘って土中に埋め、獣のえさにならないようにします。 3 樹が高くて収穫できない場合 樹が高くなりすぎて、脚立や高切バサミでも収穫できなくなった場合は、せん定で樹の高さを2、3年かけて切下げます。1回で切下げると樹勢が落ちて回復できなくなります。目標の高さを3m程度にします。 ⑴ かきの低樹高の方法① 1年目 先ずは、主枝先端から1m程度下の、分岐している枝の上で主幹を切ります。残す枝に沿って、斜め45度に切ります。 切り口が枯れ込まないようにトップジンMペーストなどの保護剤を必ず塗布します。(※) 残した主枝の先端は、上を向いている枝は切り、斜め横向きの枝を残し、樹の勢いを弱くします。 次年に切り口から新梢が多く発生しますので、芽かきをします。② 2年目 1年目で切った場所からさらに1m程度下の、分岐している枝の上で切ります。切り口の保護剤塗布や切り口からの新梢の芽かき作業は1年目と同様です。切り口以外からも強い新梢が発生しますので、せん定のときに切り取ります。③ 3年目 樹高がまだ高い場合はさらに分岐している枝の上で主幹を切り下げます。最終の樹形は主枝が3本程度残る変則主幹形になります。 4年目以降は、樹高を維持するため、一定の高さで先端を強く切り詰めるか、先端よりも下から出ている枝に先端を切り替えます。 ⑵ ゆずの低樹高の方法 ゆずでも主枝の切下げは、かきと同様に行います。かきに比べ、主枝の切り口から強い新梢が発生しやすいので、芽かき作業は大切です。残そうと思った主枝の少し上に枝があればそれを残して切ると新梢の発生は軽減できます。 また、樹勢を落ち着かせ花芽を着生させるため、主枝にロープを掛けて横に広げることも大切です。※ 農薬を使用する際はラベル表示を確認しましょう。川越農林振興センター 農業支援部 ☎049-242-1804鳥獣のえさとなる放任果樹をなくそうかき1年目2年目3年目高さ3mゆず1年目2年目3年目高さ3m紐で引く07「いるま野」2018.12

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