JAいるま野 広報誌 2018.12 | No.272
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出荷前。葉・・・組みで大忙し! 10月下旬の昼下がり。シクラメンと寡黙に向き合う園芸農家がいます。「えのもと花園」を営む榎本浩さん。11月下旬からはじまる販売に向け、この時期は毎日のように葉・・・組みの作業に大忙しです。 葉組みとは株頭頂部の葉を下げ、葉と葉が重ならないように整える作業のこと。リングを使い株の中心部分にスペースを作ることで、日光が株の中心まで当たるようになり、小さなつぼみの生長を促すのです。「葉組みを怠れば、見栄えが悪くなる」と浩さん。栽培工程上、最も重要で繊細な作業です。 そして、花びらが大きくなれば、いよいよ販売開始です。シクラメン栽培は子どもを育てるように 今年の出来を「暑い夏を乗り越えられたおかげで、良質で長持ちするシクラメンに育っている」と評します。しかし、安堵の表情を見せられるのも、ほんのひと時です。 シクラメンの栽培は、11月下旬に種を蒔きます。その後、生長に合わせ年3回ほど植え替え、翌年の9月から11月に葉組みをし販売…という流れ。つまり、販売と同時に来シーズンに向けた準備がはじまるのです。 「ビニールハウスに入らない日はない。シクラメンは自分の子どものよう。手を抜いたら、そのまま育つから」と多忙を極める同時作業でも妥協は許しません。 浩さんの努力によって生み出される、美しさと繊細さを兼ね備えたシクラメン。お目にかかれるのは、もうすぐです。リングを使った葉組み作業。約3,000鉢をひとつひとつ手作業で丁寧に。消毒済みのピンセットで枯葉を除きます。デリケートなシクラメンは、繊細な作業を要します。「葉数が多く、大きさも揃ったシクラメンが理想」と話す浩さん。飽くなき探求はこれからも続きます。左手にご注目。ホースを握り、水量と勢いを調整します。絶妙なさじ加減は、まさに熟練の技。狭山市 北入曽榎本 浩さん(53歳)園芸農家04「いるま野」2018.12

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