JAいるま野 広報誌 2018.10 | No.270
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[ 伝統を守り育てる ]瀬島 崇史 さん(27歳) 三芳町上富「伝統を守りたい」想いがキッカケに 「富(トメ)の川越イモ」の産地として有名な三芳町。雄大なサツマイモ畑で作業する青年に厳しい日差しが照り付けます。汗を拭い自身初となるサツマイモの収穫に精を出すのは、瀬島崇史さん。勤めていた保険代理店を退職し、今年1月に就農。両親とともにサツマイモをはじめ、エダマメ、ホウレンソウなどを栽培しています。 就農のキッカケは「今まで続いてきた伝統を絶やさずに守りたい」という想いから。崇史さんは15代目に当たります。ゼロからのスタート 「学校で農業を学んだわけでもなく、基礎知識はゼロ。この1年は学びの年」と位置付け、メモや写真に残すことを忘れません。 指南役は農業歴35年の父、吉明さん。「知識が豊富で、何を聞いてもすぐに答えが返ってくる」と頼れる存在です。もちろん厳しい一面も。出荷用ダンボールの組み立ての際には、一層の丁寧さが求められます。「大雑把な性格なので、細かな作業にも気を付けたい。見た目が悪ければ台無しですよね」と苦笑い。時代に合った農業経営を 吉明さんは「川越地区指導農業士連絡協議会」の会長を務め、新規就農者の育成にも力を入れています。「三芳町は親元就農が主。しかし、県全体で見ると新規参入での就農が多い。情熱を持って取り組んでおり、それに負けない経営感覚を身に付けないといけない」と話します。 その現状を崇史さんも理解しているようです。「守るものは守り、変えるものは変える。時代を見ながら進化させていきたい」と先々を見据えます。「美味しかった」がやりがいに 「農業は大変。でも、それ以上に得るものは多い」。お客様からの「美味しかった」というひと言は農業に関わるようになって初めて味わった喜び。やりがいにつながっています。 当面の目標は「早く仕事を覚え、ひとりでも畑をまわせるようになる」こと。滴り落ちる汗とともに、たくさんの想いが染み込んだ畑で収穫されるサツマイモ。ぜひ、味わってみたいものです。「農業を目指す方へ。難しいことは考えず飛び込んできて!」と話す崇史さん㊨と父の吉明さん周囲からも「父について行けば大丈夫!」と太鼓判。今後の成長が楽しみです。左/農作業に暑さは付き物。がんばれ崇史さん!05「いるま野」2018.10

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