JAいるま野 広報誌 2018.7 | No.267
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図1 白絹病図2 ネギハモグリバエ幼虫に   よる食害痕表1 薬剤例(平成30年5月16日現在の登録状況です)農薬名適用病害虫希釈倍数・使用量使用時期使用方法使用回数モンカット粒剤白絹病4~6㎏/10a土寄せ時・収穫30日前まで株元散布3回以内リゾレックス水和剤白絹病1000倍土寄せ時・収穫14日前まで株元散布3回以内オリゼメート粒剤軟腐病6㎏/10a土寄せ時・収穫30日前まで株元散布2回以内ヨネポン水和剤軟腐病500倍収穫7日前まで散布4回以内カスケード乳剤ネギアザミウマネギハモグリバエ4000倍収穫14日前まで散布3回以内ベストガード粒剤ネギアザミウマネギハモグリバエ6㎏/10a収穫前日まで株元処理3回以内農薬を使用する際は必ず使用農薬のラベルを確認しましょう。川越農林振興センター 技術普及担当 ☎049-242-1804秋冬ねぎの梅雨からの病害虫防除について 秋冬ねぎの栽培期間は、夏の高温・乾燥、梅雨や秋の長雨・台風などのほか、病害虫も発生しやすい期間にあたります。タイミングを逃さず防除しましょう。1 病害対策(1)病害の特徴等 軟腐病、白絹病は30〜35℃で多雨多湿の時に発生する土壌病害です。梅雨時期に多く発生しますが、近年は8月下旬から雨が続く傾向にあり、秋の発生も多くなっています。①軟腐病 土壌中の細菌が雨などで土とともに跳ね上がり、傷口などから感染します。葉身の展開部に水浸状斑を生じ、やがて内部まで腐敗します。悪臭を放つので確認できます。②白絹病(図1) 土壌中に存在するかびの一種で、最初白いごま状の菌核が発生し、白い菌糸が出た後、茶褐色のアワ粒大の菌核を生じます。症状が進行すると株全体が萎凋し、腐敗・倒伏します。 (2)防除方法 どちらの病原菌も様々な作物に感染するとともに土中に長く存在し、土壌の過湿状態が続くと多発します。水はけの悪いほ場は前もって明渠を掘るなどして、水はけを良くしてください。また、連作ほ場で多発しやすいので、連作は避けましょう。この他、窒素過多で軟弱に育っている場合も発生しやすくなるので、夏前の追肥を控えましょう。 発生後の薬剤散布では効果が低いので、防除は発生前から行います。いずれの病害も土寄せ時の粒剤施用が効果的です(土寄せは根を傷めるため、高温期に行うと発病を助長するので、梅雨明け前に行います)。 また、大雨の前後に銅剤散布を行いましょう(軟腐病対策)。2 害虫防除(1)害虫の種類  夏の乾燥時になると、ねぎを加食する害虫が多発します。①ネギアザミウマ  成虫や幼虫が葉身を食害し、その痕がカスリ状に色が抜けて白くなります。②ネギハモグリバエ(図2) 孵化した幼虫が葉の内部に潜入し、食害をします。食害痕は白い筋状となり、ひどくなると葉の大部分が白くなります。(2)防除方法 ねぎは作期が長く、害虫対策も長期にわたります。多発してからの防除は難しいため、発生初期の防除を徹底しましょう。ただしランネートのような即効性で残効性のないものは効果が低いだけでなく、天敵がいなくなることで、かえって被害を大きくすることがあります。害虫発生初期までに粒剤やIGR剤(脱皮阻害剤)など天敵に影響が少なく残効性のある薬剤を使用し、多発を防ぎましょう。写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集07「いるま野」2018.7

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