JAいるま野 広報誌 2018.7 | No.267
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正しく相手を知り、被害にあったら痕跡が明らかなうちにJAや行政窓口にご連絡をお願いします。対応の遅れは獣類にとっての「新たな餌場」を与えることになり、被害が拡大する要因となります。イノシシ生息状況……西部の山間部は減少傾向だが、平坦地域に近い丘陵地域へ生息域を移動させ増加傾向。河川敷が荒れ耕作放棄地が連担する場所はどこでも移動する。好物……木の実、根菜類、タケノコ、米、栗など特徴……夜行性ではない。臆病な性格から夜間に活動するだけで、安全が確保されれば昼間も活動する。エサを探すため石をどかす習性があり、重さ60㎏程のものは動かす。柵の裾押さえに石を置くことは誘引になる。臭覚は優れているが嫌いな臭いは特にない。アライグマ生息状況……県内全域に生息し性格は荒く、アニメのような可愛い動物ではない。甘いものを好み果樹等の被害が目立つが、水稲を食べることも確認されている。好物……雑食性。トウモロコシ、スイカなど特徴……尻尾にシマ模様、眉間に黒い筋がある。鋭い爪があり木登りもできる。被害の特徴は「前肢の痕跡」。ブドウなどは前肢を使い巧みに破くため、袋は裂いたようになり、前肢の跡が汚れとして残る。スイカは穴をあけてくりぬくように中身を食べるのが特徴。ハクビシン生息状況……県内に広く生息。家屋の天井裏を好むため、空き家の増加などを受け近年は市街地域の生息密度が高い傾向がある。どこでも生活できる能力と、縄張りを持たない生態から都心部でも繁殖可能。好物……雑食性。ブドウ、トウモロコシなど特徴……日本では江戸時代から存在記録があり、外来生物法上は特定外来生物とはなっていない。顔の真ん中に白い筋があり、木登りが得意で果実を落とさずに食べる。ハクビシン被害は基部と皮を残すのが特徴。6㎝程の間があれば出入りでき、1㎜以下の針金の上も歩く。ニホンザル生息状況……管内では吾野と名栗に2つの群れがあり100頭程存在する。近年拡大の兆候あり。好物……カキやユズなど果実類を好む。植物の葉や芽、キノコや昆虫も食べる雑食。ニホンジカ生息状況……平坦部の境まで生息域が広がっている。元来、平坦部で暮らす動物のため、河川敷を利用し拡大している。好物……ほとんどの植物を食べると言ってよく、エサの乏しい季節は樹皮も食べる。JAの取り組み JAにおいても鳥獣被害対策に向けて、各地域で協調した動きを図っています。 捕獲面では、埼玉県の捕獲従事者養成研修に職員が積極的に参加しており、行政の「鳥獣被害防止対策協議会」メンバーとして箱わなの貸出を行っている地域もあります。 また防除面では、埼玉県の「鳥獣害防止指導者養成研修」に職員が例年10名程参加し、基礎知識の習得から具体的な防止柵の設置実習までを学んでいます。 JAグループさいたまでは県域で鳥獣被害対策に向けた助成事業を通年で実施しており、昨年度は管内全体で53件の申請を受けました。指導者研修で学んだ営農推進員が、JAで購入された電気柵設置等において現場指導にあたっています。取材を通じて 中山間地域では生息域の拡大を食い止めるため日々対応に追われています。一方で、川越、鶴ヶ島、入間、狭山地域でも河川や丘陵地を通じて大型の獣類が出現していることが既に確認されており、もはや「山の話」ではないのが現状です。 全国的にも、捕獲に追われ産地が疲弊している例は多数ありますが、成功事例とされる産地はどこも「地域ぐるみ」が共通ワードとなっているようです。05「いるま野」2018.7

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