JAいるま野広報 2017年1月号 No.249
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営農情報 入間地域のさといもは、ブランド野菜として市場で高い評価を受けています。 今年度の結果を見直すとともに、さといもの特性を理解し、生育ステージに沿った栽培管理を行うことで、生産安定と品質向上を目指しましょう。一 気象状況 四、五月は高温でやや乾燥気味でしたが定期的な降雨があり、梅雨は平年よりも長く七月二十八日まで続きました。梅雨明け後は急激な猛暑とならず、気温は平年並からやや高めで経過し、お盆以降から九月にかけては雨が多くなりました。 八月下旬には台風の影響で、所沢市や狭山市などで総雨量二〇〇㎜を超える降雨がありました。二 本年の収量・品質 表–1は、生育調査ほの結果です。 調査ほは、孫芋の肥大する時期にかん水が行われ、九月まで適度な降雨があったことから、芋の肥大が良好で、総重量は平年比一三六%となりました。 子芋と孫芋の重量は平年比一二〇%以上、ひ孫芋は平年の四倍近くとなりました。芋の個数も平年を上回りました。 全体的に豊作となった一方、芋同士の押し合いなどによる変形もやや多く見られました。三 二十九年産栽培に向けて㈠生育特性 十五度以上で発芽し、生育適温は二十五~三十五度です。 多湿を好み、土壌が乾燥すると芋の肥大が悪くなり、芽なしや亀裂の発生も多くなります。 連作に弱いので、少なくとも三~四年で一作の輪作体系による栽培の組立が必要です。㈡栽培の要点ア 種芋 種芋の良否が収量・品質に大きく影響します。形が良く、無傷、無病で芽がしっかりした物を使用します。また、定期的に優良な種芋を導入し、選抜を繰り返すことが安定生産につながります。イ 土づくり 膨軟で、作土層が深く、適湿が保て、空気を多く含める土壌が理想です。根が十分に張れる土づくりのためにも、計画的に堆きゅう肥を施用しましょう。ウ 施肥 基肥は控えめで、追肥により地域の特産 さといもの生産安定について生育・芋の肥大をコントロールします。特に子芋肥大最盛期(八月上中旬)に肥切れをさせないことが重要です。前作の残肥も考慮して施肥量を決定します。エ 土寄せ 芋の形成、肥大に重要な作業です。土寄せ量は二十五㎝以上を目標に、追肥の後、六月下旬から七月上旬には作業を終了させましょう。オ かん水 灌水設備がある場合は有効に活用し、梅雨明け頃から、極端に乾湿の差がつかないようにかん水を行います。設備のないほ場では、敷き藁や全期マルチ栽培など、土壌の乾燥を防ぐ対策も検討しましょう。カ 病害虫防除 土壌の線虫や病害が心配される場合、植え付け前に殺線虫剤や土壌消毒剤を処理します。また、アブラムシ類によるウイルス病感染やコガネムシ類の食害にも注意をして、適切に防除しましょう。 川越農林振興センター 農業支援部 ☎〇四九‐二四二‐一八〇四表-1 生育調査ほ 地下部調査結果親いも子いも孫いもひ孫いも重量(g)個数(個)重量(g)個数(個)重量(g)個数(個)重量(g)平成28年(平年※比)1,014(125%)8.8(113%)1,002(121%)16.8(103%)1,502(129%)8.0(239%)380(325%)平成27年6587.485418.91,4665.3134平年8117.882916.31,1683.411708「いるま野」2017年 1月号

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