JAいるま野広報 2016年11月号 No.247
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営農情報タイバー(パイプ)ワイヤーと取り付け金具屋根の補強(母屋パイプ)サイド部の補強(筋交い)(図2)筋交いの設置例(図1)タイバー、ワイヤーの設置例 平成26年2月の降雪は、埼玉県で観測史上最高の積雪となり、農業用ハウスの倒壊が多数発生しました。また、今年の1月にも、大雪によるパイプハウスへの被害が相次ぎました。 今回は、加温装置がないパイプハウスでの雪害対策方法を紹介します。○パイプハウスの限界 パイプハウスは骨材の関係などから、少ない積雪でも被害を受けやすいといわれています。 パイプハウスの積雪強度は、20㎏/㎡となっていますので約20㎝までの積雪に耐えられるとされています。○パイプハウスの補強(1)タイバーやワイヤーを屋 根部に設置する(図1) 積雪時、肩部に負荷がかかりハウスが広がるのを防ぐことができます。タイバーは軒から棟の高さの下から4分の1の高さに1.5m程度の間隔で設置すると効果的です。(2)筋交いを設置する(図2) 屋根やサイドに筋交いを入れると、各部分の強度を上げることができ、雪の重さによる変形を防ぐことができます。(3)二重パイプ構造を取り入 れる 積雪による負荷がかかる部分に強度の高い資材を用いると構造を強化することができますが、二重パイプにすることでそれと同じ効果を期待できます。(4)パイプを固定する パイプがずれてしまうと、ハウス全体の強度が低下してしまうので、接合金具などを用いて固定すると強度を保持できます。○雪の降る前日・当日の対策パイプハウスの雪害対策※参照:「大雪による園芸用ハウスの被害調査と対策」(埼玉県農林部農業支援課)問合わせ先川越農林振興センター 049(242)1804降雪に対する園芸用ハウスのチェックリスト項目チェック項目チェック欄備考前日まで1屋根被覆材の表面に滑落を妨げるような突起物の撤去防虫・防風ネット、遮光資材など2ブレース、ボルト等の締め直し補強資材や固定部品のチェック3ハウス周辺の排水路の整備除雪・融雪などによる湿害対策当日4雪が積もったら速やかに雪下しを行う雪が積もると滑落しづらい5ハウスサイドの除雪屋根雪とハウスサイドの雪がつながり、落下しなくなる6ハウス両側を均等に除雪ハウスの片側に偏って積雪すると倒壊の危険が増す7ハウスの屋根に雪がある場合は中に入らない施設倒壊の恐れがある08「いるま野」2016年 11月号

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