JAいるま野 広報誌 2018.12 | No.272
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熟成イモを味わって サツマイモ収穫の最盛期。500㍍もの長さが続く広大な圃ほじょう場で作業をするのは「早川農園」の7代目、早川光男さん。収穫は12月中旬まで続きますが、そこでひと段落…というわけにはいきません。 熟成イモの準備です。品種は「姫あやか」「紅はるか」「富とめきんとき金時」「紅べにあかきんとき赤金時」の4種。室温は約14℃、湿度80%ほどに保たれた貯蔵庫に、一定期間寝かせることで甘みを引き出します。熟成イモの出荷は年明け3月頃まで。「できるだけ長い期間、サツマイモの味を楽しんでほしい」と笑顔で話します。美味しいサツマイモは土づくりにあり 「三さんとめ富落ち葉野菜研究グループ」の代表を務める光男さん。毎年1月から2月にかけて、落ち葉掃き体験などの活動を行っています。 この落ち葉掃き。実はサツマイモ栽培には欠かせません。集めた落ち葉を2年近く発酵させてから圃場にすき込むことで、サツマイモ栽培に適した軟らかく水はけの良い土壌を作り出します。江戸時代から続くこの農法は「武蔵野の落ち葉堆肥農法」と呼ばれ、日本農業遺産に認定されました。「若い後継者と切磋琢磨しながら、地域農業を活気付けたい」と話す光男さんは、伝統を守り伝えていく役割も担っています。 落ち葉掃きの準備は年明けから。平地林に落ちている枝を集め下草を刈り、落ち葉を掃きやすい状態にします。「美味しいサツマイモは土づくりにあり」とひと言。その表情から、年末年始の準備は万端のようです。三芳町 上富 早川 光男さん(52歳)「一直線の圃場なので、農作業がやり易い」と光男さん。今年の年末年始は「サツマイモリキュール」の販売や、自ら主催する「農泊イベント」の開催などで、例年にない慌しさだとか。収穫期でも合間を見て、平地林の枝を集めます。落ち葉掃き体験は毎年、150人くらいが参加するとのこと。貯蔵庫の室温や湿度は、天候の状況を見ながら風を通し、遮光シートを使って調整します。ここで約1ケ月間、熟成させます。サツマイモ農家05「いるま野」2018.12

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