JAいるま野 広報誌 2018.4 | No.264
7/20

 今年も水稲の育苗が始まる時期が近づいてきました。 苗の良し悪しはその後の生育に大きく影響しますので、基本技術の励行を心がけましょう。1 床土の準備【床土】熱処理等により滅菌された「水稲育苗培土」の購入・利用がお勧めです。自分で床土を作る場合は、畑の土は使用せず、病気の発生がなかった水田の土を使用しましょう。【育苗箱】育苗箱や保温資材は、事前に洗浄・消毒しておきます。特に、前作や前々作で立枯病等の発生が見られた場合は、必ず消毒しましょう。2 種もみの準備 品種固有の特徴を備えた高品質米生産のため、種子更新は必ず行いましょう。【塩水選】水18ℓに対して、うるち米なら4・5㎏、もち米なら3㎏の食塩を溶かした液に種もみを入れ、浮いてきたもみを取り除きます。 塩水選後は、必ず水洗いを行って、塩分をよく洗い流してください。【種子消毒】温湯、または薬剤のどちらかで種子消毒を行います。温湯消毒はJAで受付けていますので、事前に実施日時・場所等を確認しておきましょう。【浸種】休眠している種もみを起こして発芽を促すため、ネット等に入れて水に浸けます。積算温度(水温×日数)でコシヒカリが120℃(例:15℃×8日)、彩のきずなを含むその他の品種は100℃(例:15℃×7日)で行います。ただし、水温が10℃以下に下がってしまうと再び休眠に入ってしまう可能性が高くなるため、夜間等に水温が下がり過ぎない様、注意が必要です。【芽出し】発芽を揃えるため、図の様なハト胸状態になるまで芽出しを行います。温度28〜30℃で15〜20時間が目安です。3 種まき 健苗育成のため、芽出しもみで100g程度の薄まきを心がけましょう。また、種まき後は被覆資材の利用による保温を図り、発芽を促進します。4 育苗中の管理 育苗期間中は、水管理と温度管理が重要です。(1)水管理 水やりは、床土の表面が乾いた朝〜午前中の1回が基本です。 過度なかん水は、徒長や根張り不足の原因になります。(2)温度管理35℃以上の高温や、10℃以下の低温を避け、適温を保つ様に心がけましょう。温度が高すぎても、低すぎても生育不良や病害の発生を招きます。【種まき後2〜3日頃】  出芽までの期間   適温 30℃【種まき後4〜7日頃】  出芽後の光に慣らす期間   適温 昼20〜25℃      夜15〜20℃【種まき後8日頃〜田植前】  外気に慣らす期間   適温 昼20〜25℃      夜10〜15℃5 苗の様子がおかしい時は JAの相談窓口や農林振興センターに、早めにお問合わせください。症状が進んでからでは手遅れになることもあります。6 田植え 草丈が15〜20㎝、葉枚数が3枚半〜4枚程度になった頃が田植えの適期です。 また、品種別重要病害虫対策として、「彩のきずな」には紋枯病に、「コシヒカリ」にはウンカ類に登録がある箱施用剤の使用をお勧めします。水稲の育苗管理についてハト胸状態の種もみ川越農林振興センター 農業支援部 ☎049-242-180407「いるま野」2018.4

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る